概要
ホイールの構成要素で外面にタイヤを付ける円環。スポーク穴およびバルブ穴が開いている。
リムはタイヤの形式とサイズに合わなければならない。リムはハブと同じスポーク穴数が必要。
種類
使用するタイヤの形式に対応して、クリンチャーリム、チューブラーリム及び
チューブレスリムがある。
構造
(1) クリンチャーリムの断面構造を見ると、単壁リムおよび二重壁リムに
分けることができる。
(2) オフセットリムがある。
(3) スポーク穴にはとめを入れたリムがある。
(4) スポーク曲げが起きないよう、スポーク穴を±5°傾けた形がある。
製法
アルミ合金リムは、押出し成型によって、リムの断面形状に作った形材を所定長さに切断後、丸く曲げて突合せ部を接合して作る。
接合
アルミ合金リムの端面の接合方法により分けると、溶接リム、スリーブ接合リム及び
ピン接合リムの3種類がある。強度も価格もこの順に大きい。
質量
ロードバイク用700Cのリム及びマウンテンバイク用26インチのリムの質量を打点したグラフを右図に示す。リム幅が大きくなると質量も大きくなっている。
チューブラーリムはクリンチャーリムより平均的には約50g軽い。
その一因はチューブラーリムにはフックおよびリムフランジが無いためである。
材質
炭素鋼、アルミ合金、炭素繊維強化樹脂(CFRP、カーボンリム)、マグネシウム合金及びスカンジウム合金などがある。木製リムもある。
アルミ合金は鋼の約5倍の熱伝導率がある。アルミ合金製リムは、1926年にマビック(Mavic)が始めて世に出した。
アルミ合金のリムベースに炭素繊維強化樹脂(CFRP)層を付けたリムもある。スポークの張力がかかる部分はCFRP層厚を大きくしている。
価格を下げかつCFRPリムに近い性能を得ることを意図している。
鋼製リムはニップルを支持する強度が大きい。
表面処理
リムブレーキの付いたアルミ合金リムは、ブレーキングによって側壁が磨耗する。側壁が薄くなって破損することは、リム破裂と呼ばれることがある。磨耗指示器付きがある。
荷重
コーナリング(曲がり)においては横方向荷重は後輪よりも前輪がはるかに大きい。
メーカー
新家工業 、24 bicycles 、Alchemist 、Alex Global technology 、Ambrosio Spa 、Arrow Racing 、Atomlab 、
Beretta Cerchi 、Bitex Industrial 、Corima 、DRC Srl 、
DT Swiss 、Funn 、Easton Sports 、Edge Composites 、
Gipiemme 、Gold Star Industries 、G-Sport 、Halo Rims 、Hsin Chuan Ind.(Jetset) 、Interloc Racing Design 、
Leaf Cycles 、Loaded Precision 、Mavic 、Nine Gs 、Odyssey BMX 、Sank Industries 、Quad Technologies 、Remerx 、Rigida 、
Roland Werk 、Salsa Cycles 、SUNringle 、Syncros 、Velocity 、WTB 、Xpace Industrial 、Zipp Speed Weaponry 、など。
参考資料 「リム」