ブレーキをかけること。前輪と後輪のブレーキのかかり方の違いは、次のようにすると良く分かる。
自転車の横に立ち、ハンドルの左右の握りを両手で持って自転車を押して早足で歩く。前輪および後輪にブレーキをかける。前輪が後輪よりブレーキのききが良いことが実感できる。後輪は地面を滑るかまたは地面から持ち上がる。
この前後輪のブレーキのききの違いは、自転車の慣性(自転車に乗っている時は人体および自転車の慣性)によって生じる。
ブレーキがかかっても、自転車は慣性で前へ行こうとする。そのため、前輪は地面に押し付けられるのに対し、後輪は前輪の接地点を支点にして持ち上がろうとする。
自転車を後に押してブレーキをかけると逆の現象が起きる。つまり、前輪は滑るかまたは持ち上がる。前輪は実質的には後輪となっているため。
タイヤが路面に対して滑ると、制御性がなくなるだけでなく路面とタイヤの摩擦力が低下する。前輪と後輪のブレーキを同じ力でかけると、まず後輪が滑るが前輪はブレーキの力に余裕を残している。有効にブレーキをかけるには、前輪60~70%そして後輪約40~30%の割合で力を加えると良い。