概要
無チューブタイヤ。チューブを使わず、タイヤと専用リムの間に空気を入れ、タイヤビードとリム内側壁との間で空気を密閉するタイヤ。
当初(1999年)はマウンテンバイク用に開発されたが、ロードバイク用もある。
タイヤの内面はガス透過率の小さいブチルゴムなどで覆う(ライニングする)ことが多い。スキンタイヤは側壁に通気性があるので使えない。
シール
リムとスポーク間のシールは、密閉用スポークの使用またはリム内面への密閉用テープの貼り付け又はリムを二重底にしてタイヤ側にはスポーク穴を設けない等で行う。
チューブレスタイヤ用のタイヤシーラントがある。
装着時 | 加圧後 |
UST
チューブレスタイヤとチューブレスリムの統合方式としては、USTが業界標準となっている。
バルブ
空気を入れるバルブ(チューブレスバルブ )は、リムに取り付ける。専用の仏式バルブが使われる。
特徴
チューブレスタイヤの特徴は次の通り。
利点
- マウンテンバイクは石や小岩などで蛇噛みパンクを起こしやすいが、チューブを無くしたためタイヤの空気圧が低くとも蛇噛みパンクを起こさない。
ただし、蚊刺しパンクは起こす。パンク修理は、チューブパンク修理用の当てゴムをタイヤ内面に貼ることによって出来る。 - パンクした場合でも、チューブのパンクより長時間空気を保持できる。
- 空気圧は一般のタイヤに比べて10~15%低くできるため路面との摩擦力が大きくなり、大きなブロック模様を必要としないため、
相対的に転がり抵抗を小さく出来る。 - 空気圧は低く設定できるため振動吸収性が良く、サスペンションの必要性は少なくなる。
欠点
- 現状ではチューブ付きタイヤより、空気圧低下(空気抜け)が早いこと。
- リムへの装着はクリンチャータイヤに比べて難しいこと。
- タイヤビードおよびビード座は完全にクリーンにしないと、空気漏れの原因となること。
- チューブラーホイールより質量が大きいこと。
- 高価なこと。
質量
軽いものは、700x23C形で240~300g。
メーカー
井上ゴム工業(IRC) 、パナソニック ポリテクノロジー 、Cheng Shin Rubber 、Continental 、Hutchinson 、Kenda 、Maxxis 、Schwalbe 、Trek Bicycle 、Vuelta 、など。