概要
タイヤと路面間の走行抵抗で、ペダルの重さとして体感できる。
空気圧
タイヤ圧力が高く(右図)、外径の大きいスリックタイヤが転がり抵抗が小さい。
路面
アスファルト舗装よりコンクリート舗装が平坦なために転がり抵抗が小さい。
原因
転がり抵抗の主な原因はタイヤ(トレッドおよびケーシング)およびチューブの変形によるエネルギー消費。従ってタイヤの空気圧が低く変形しやすいと、転がり抵抗は大きくなる。
空気圧が高いほど転がり抵抗は小さい。溝のあるタイヤはタイヤの表層部が溝に膨らむように変形(トレッドスクワーム)して、エネルギー損失となる。
特にブロックタイヤは損失が大きい。
タイヤ型式
クリンチャータイヤとチューブラータイヤ(丸タイヤ)の転がり抵抗を比較すると、同一空気圧なら大差ないが、チューブラータイヤ(丸タイヤ)はタイヤの空気圧を高圧にできるので、転がり抵抗を小さくできる。
タイヤ材質
タイヤの材質も転がり抵抗に影響する。天然ゴムは合成ゴムより変形によるエネルギー吸収が少ないため、転がり抵抗が小さくなる。
カーボンブラックの割合が多いとエネルギー吸収が大きくなり転がり抵抗が大きくなるが、タイヤ磨耗は少なくなる。
チューブ材質
ラテックスチューブは、厚さ0.6mmのブチルチューブより約10%転がり抵抗が小さい。
タイヤ幅
幅の広いタイヤは転がり抵抗が小さい。これはトレッド及び側壁の変形が小さいため。ただし、空気抵抗は大きく質量もやや大きい。
例えば幅25mmのタイヤは幅23mmのタイヤより約5%転がり抵抗が小さい。
タイヤ外径
タイヤ外径が大きいとタイヤの変形が小さいのでエネルギー損失が小さく、転がり抵抗が小さくなる。
計算式
転がり抵抗Dは、次式で与えられる。
D = Cr ・m・g・v
ここに、 D : 転がり抵抗 [W] 、Cr : 転がり抵抗係数 [-] 、m : 自転車及び人の質量 [kg] 、g : 重力の加速度 [m/s2] 、v : 走行速度 [m/s]
計算器
転がり抵抗を計算する計算器を下に示す。
荷物がある場合はその質量も自転車及び人の質量 に加える。
試験
メーカーなどのタイヤの転がり抵抗及び耐パンク性などを有料で試験する業者として、Wheel Energy(フィンランド)がある。