概要
後輪の複数のスプロケットを歯数の順に互いに組み付けてカセットとして、後輪ハブ(具体的には、フリーハブボディ)への取付けを容易にしたもの。
用途
構造
スプロケット間の間隔は円環状のカセットスペーサーを入れて設定するのが一般的である。フリーハブボディとかみ合ってトルク伝達ができるように中央穴にスプラインが付いている。画像は12歯のスプライン。軽量化のためにCNC工作機械を使ってアルミ合金ブロックから切り出した形があるが、スプロケットの交換はできない。
配置
スプロケットの配置は次のようにする。大スプロケットより小スプロケットへ、次々と隣の歯先を結んでいった軌跡が、ら旋を描くように配置する。
レシオ
ロードバイク用のように最大歯数の小さいスプロケット群は、最大と最小の歯数差が小さくクロウスレシオ(歯数が接近した)と呼ばれる。マウンテンバイク用のように最大歯数の大きいスプロケット群は、最大と最小の歯数差大きく(広く)、ワイドレシオと呼ばれる。スプロケット群の輪郭は円錐形をしている。円錐頂角は最大歯数が小さいと(クロウスレシオ)小さく、最大歯数が大きいと(ワイドレシオ)大きくなる。円錐頂角が異なると、それに対応して後ディレイラーの傾き角も異なる。傾き角(スラント角)はクロウスレシオ(ロードバイク)用が30°そしてワイドレシオ(マウンテンバイク)用が45°となっている。
段数
1段(単速、シングルスピード)、6段、7段、8段、9段、10段及び11段カセットがある。
材質
スプロケットの材質は、アルミ合金及びチタン合金など。耐摩耗性向上のために、アルミ合金にセラミック、テフロン又は窒化チタン(TiN)をコーティングしたものもある。
質量
カセットスプロケットの質量は歯数構成で異なり、10段 Dura Ace は180~310g、 Ultegra は230~310gそして9段の Tiagra は220~260g。
工具
カセットロックリングの取付・取外し工具としてカセットロックリング工具及びスプロケット抜きがある。
参照 » 後輪スプロケット