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自転車のスプロケット

 自転車

概要
分類
トラックスプロケット
非円形スプロケット
スプロケットピッチ円直径計算
ボルト穴ピッチ円直径計算器
ピッチ円直径および最小歯数
スプロケットのギア比
スプロケットの歯数例
スプロケットピッチ
チェーンライン
スプロケットの磨耗
バッシガード
歯の形状および寸法
工具

概要

スプロケットは、円盤の外周にチェーンのローラーとかみ合う歯の付いた鎖車。歯形は、歯車どうしでかみ合う歯車(ギア)の歯形と全く異なる。

歯数はT(ティー)または丁(ちょう)を付けて表す。例えば、歯数が14歯の場合は、14Tまたは14丁と表す。

自転車には、クランク軸に1個そして後輪軸に1個の、少なくとも2個のスプロケットが使われている。この2個のスプロケットとチェーンによって、クランクより後輪に動力を伝達する。クランクのスプロケットの俗語としては、チェーンリングまたはチェーンホイールという呼び方がある。本来は円盤だが、軽量化のために肉を取ってあるものは、リング(環)に見えるものもある。 変速機付きの自転車では、その変速段数に応じた数のスプロケットが使われている。

後輪のスプロケット群はカセットスプロケットと呼ばれることがある。スプロケットの材質は炭素鋼が一般的であるが軽く強度のあるチタン合金も使われる。

分類

クランクスプロケット
後輪スプロケット
ランプスプロケット

クランクスプロケット

チェーンリングとも言う。1段(シングル)、2段(ダブル)および3段(トリプル)がある。

1段

クランクスプロケットが1段(1個)であるもの。1段クランクセット、単段クランクセットまたはシングルクランクセットとも呼ばれる。ロード車用、マウンテンバイク用およびシティ車用などがある。

2段

クランクスプロケットが2段(2個)であるもの。2段クランクセットまたはダブルクランクセットとも呼ばれる。中間スプロケットおよび大スプロケットで構成されている。一般に、PCD(ピッチ円直径)の同じ1組のボルト穴で中間スプロケットおよび大スプロケットに対応する。中間スプロケットの歯数は大スプロケットの歯数よりロードバイクでは12~14T少なく、マウンテンバイクでは12T少ない。

3段

クランクスプロケットが3段(3個)であるもの。3段クランクセットまたはトリプルクランクセットとも呼ばれる。小スプロケット、中間スプロケットおよび大スプロケットで構成している。小スプロケットがあるために、2段クランクセットよりも低ギア比となっているので登坂にも向いているが質量は少し大きくなる。一般に、PCD(ピッチ円直径)の異なる2組のボルト穴がある。PCDの1組は小スプロケット用そして他の一組は中間スプロケットおよび大スプロケット用。

普通の走行においては、中間スプロケットを使い、後ディレイラーで後輪スプロケットを変えて変速するのが一般的。中間スプロケットで対応できない場合に、1段または3段のスプロケットを使う。そのため、走行時間の90%前後は、中間スプロケットが使われる。

2段と3段の比較

2段の利点
質量が小さい。
Qファクターが小さい。
3段の利点
登坂または旅行荷物の運搬に適した低いギア比が得られる。

スプロケットの交換

ギア比を変更するためにスプロケットを歯数の異なるものと交換する場合は、次の事項の確認が必要。

(1) スプロケット及びクランクスパイダーのピッチ円直径(PCD)
(2) ディレイラーのキャパシティ
(3) チェーンステイすき間(クリアランス)
(4) チェーン長

スプロケットボルト

クランクスプロケットをクランクのアーム(スパイダー)に固定するための5個一組のボルト(呼びM8)。ボルト頭の高さは低くなるように作られいてる。

ナットは、つばの付いた専用のナットを使う。ナットの外径(10mm)はスプロケットおよびアームの穴の内径とぴったりと合って、スプロケットの芯が出るようになっている。ナット及びボルトの長さは、スプロケットの段数(シングル又はダブル)などの用途に合うものを選ぶ。

取付、取外しに際しては、ボルトには5mmの六角レンチそしてナットにはペグスパナを使う。ボルト締めによってスプロケットが歪まないように少しずつ対角線(1→3→5→2→4、右図の赤の数字)の順に均等に締める。

材質はめっきをした鋼、ステンレス鋼、アルミ合金及びチタン合金など。

ワイドナローチェーンリング

スプロケットの幅方向に測って、広幅と細幅のテーパー歯が交互に付いているチェーンリング。チェーンが脱落しないようスプロケットと確実に噛みあうようにすることを意図している。チェーンは構造上リンク幅が広い部分と狭い部分が交互にあるので、それに対応させている。

Gehl Companyがワイドナロー歯のスプロケットについて1979年に取得した特許が切れているので、この特許に基づいてチェーンリングを製作しているメーカーがある。

スプロケットガード

ロードバイクの場合は、ズボンやスカートの裾などがチェーンに接触することによる汚れおよび噛み込みを防止することを意図したスプロケットの覆い。

オフロードバイクの場合は、岩などからスプロケットの歯を守る覆い。何れも大スプロケットの歯数に対応していることが必要。

後輪スプロケット

単段および多段がある。単段には、単速および固定スプロケットがある。スプロケットが単段でも、内装変速機を使うと変速は多段(多速)となる。

単速

変速機が無く1速のみのスプロケットは単速と呼ばれる。フリーホイールは付いている。フリーホイールの付いていない単速は、固定スプロケット又は固定ギアと呼ばれる。 単速はロード車、シティ車およびBMX車などに使われている。単速には次の特徴がある。

軽量
スプロケット数が少なく、チェーンが短く、シフター、ロープ(ケーブル)、アウターおよびディレイラーなどが無く軽い。
保全性
変速機が無いので保全がやり易い。
効率
スプロケットに対してチェーンが斜めにかかることが無くかつ後ディレイラーのプーリーでチェーンが曲げ回されることがないので幾分伝動効率が良い。

固定スプロケット

フリーホイールを付けないで、直接後輪ハブに固定したスプロケット。固定スプロケット自転車は、古典的な自転車で一般にフリーホイール、変速機および後輪ブレーキが付いていない。自転車との一体感があり、かつ路面の状態が敏感に伝わってくる。スプロケット数は1個で小さく、チェーンが短く、シフター、ロープ、アウターおよびディレイラーなども無いので自転車は軽い。固定スプロケットの歯数は一般に15~16Tと少ないので、歯数を1T増やすか、または1T減らすとギア比は大きく変わる。トラックレーサーに使われるので、トラックスプロケットとも呼ばれる。

多段

段数は6段、7段、8段、9段、10段および11段がある。スプロケット間にスペーサーを入れて歯数の順に組み付けたスプロケットはカセットスプロケットと呼ばれる。フリーハブへの取付けは容易となっている。フリーハブ外周およびスプロケット穴に切ったスプラインで、トルクを伝達する。

スプロケットの配置は次のようにする。大スプロケットより小スプロケットへ、次々と隣の歯先を結んでいった軌跡が、ら旋を描くように配置する。カセットスプロケットの輪郭は円錐形をしている。円錐頂角は最大歯数が小さいと小さく(クロウスレシオ)、最大歯数が大きいと大きくなる(ワイドレシオ)。円錐頂角が異なると、それに対応して後ディレイラーの傾き角も異なる。

参考資料:後輪スプロケット、スプロケット群のレシオ

メガレンジ

後輪の歯数34Tのスプロケットのこと。後輪の変速用スプロケット群の中の34Tのスプロケットには、赤い字でMEGARANGEの刻印があるので、メガレンジと呼ばれる。メガレンジを使うと速度比(ギア比)が小さくなるので、登坂が楽になる。

ランプスプロケット

側面にシフトランプの付いたスプロケットは、ランプスプロケットと呼ばれる。

シフトランプは、クランクスプロケットまたは後輪スプロケット(カセットスプロケット)の側面に付いていることのある傾斜または突起であり、シフト時にチェーンを大きいスプロケットに移すときにチェーンを持上げて自分の歯に乗せる働きをする。

上図右側の写真はクランクスプロケットにおいて、中間スプロケットから大スプロケットへランプがチェーンの片側のプレートを持上げている状況を示している。

各スプロケットのランプの位置関係は決まっている。

アルミ合金製のスプロケットに機械加工またはプレス加工でランプを作ると(左側の写真のランプ)、チェーンによる磨耗で効果がなくなるので、対磨耗性のランプまたはピンを取付けることが多い。

1990年にハイパーグライド(HG)のスプロケットに最初に導入された。欠点は質量が少し大きくなることおよび原価が少し高くなること。

ランプ(ramp)の本来の意味は、段違いの二面を結ぶ斜面のこと。光を出すランプ(lamp)とはつづりおよび発音が異なる。

トラックスプロケット

後輪のトラックハブに使うスプロケット。歯数は13T~22Tがある。スプロケット幅はチェーン内幅に対応して、1/8"(3.175mm)及び3/32"(2.38mm)がある。ねじは右ねじで、その寸法は表1に示す。

表1 スプロケットねじ仕様
規格 スプロケットねじ
ISO、シマノ 1.375" x 24 TPI
カンパニョーロ 1.370" x 24 TPI
フレンチ 34.7mm x 1.0mm

ハブにねじ込み、後漕ぎ時にも緩まないよう左ねじのロックリングで固定する。材質はクロモリ鋼及びステンレス鋼など。

非円形スプロケット

長短比
Qリング
Oシメトリック
Ogival
バイオペース
サイクロイド

長短比

非円形スプロケットの長径aと短径bの比a/bは、長短比という。長短比が小さいと円形に近づき、長短比が大きいと楕円、長円又はフットボール形に近づく。性能を出すためには、ある程度の長短比が必要。長短比が大きいほど慣れに時間がかかり、かつ前デイレイラーで問題が生じやすい。市販されている非円形スプロケットの長短比は、1.10~1.235。

Qリング

Roter Bike Components社(スペイン)が2005年に出した非円形(楕円近似)のクランクスプロケットの商品名。表2に仕様を示す。

(表が見切れる場合は横にスクロールできます)

表2 Qリングの仕様
腕(ボルト)数 PCD 2段歯数 3段歯数 質量[g] 用途
5 110 50_36 - 147 ロード
5 130 53_40 53_40_30 153(2段) ロード
5 135 53_41 予定あり 135 ロード
4 104/94 - 24_34_44 136 MTB

非円形の長短比は、1.10となっている。材質はアルミ合金。ペダルに力を加えにくい上死点および下死点を早く通り過ぎるようにするという意図がある。円周方向に35穴のクランクボルト穴を設けており、クランクとの位置関係(取付角度)を各段のスプロケットについて自由に設定できる。35穴あると取付の組合せは70通りとなるので、最小調整角度は360°/70=5.1°となる。数百km走行して慣れてから、自分の好みで設定する。初期設定は楕円の短径とクランク中心線を合わせる。

Qリングの設計概念は次の3点であるとしている。

(1)クランク中心線と長径のなす角度
(2)長径と短径の比
(3)楕円の形状およびそれが占める角度

円スプロケットの歯数は直径に比例する。直径を大きくすると歯数は多くなる。非円スプロケットは場所によって直径が異なるため、歯数も異なることとなる。例えば、53Tの非円形スプロケットは長径位置では58Tそして短径位置では48Tに相当する直径となっている。ペダルが水平位置(90°)では58Tとなり、大きな力が加えられる。力を加えにくい上死点(0°)および下死点(180°)では48Tとなり、少ない力でよい。その結果、約4%の動力が増加するとメーカーは主張する。

欠点は、チェーンが前ディレイラーのケージで上下に動くので、円スプロケットより幾分シフト性が劣ること。

Oシメトリック

Biosquat社(フランス)が2004年に出した、非円形クランクスプロケットの商標。材質は陽極酸化したアルミ合金。仕様を表3に示す。

(表が見切れる場合は横にスクロールできます)

表3 Oシメトリックの仕様
PCD[mm] 歯数 質量[g] 用途
130 42_54 45+115 ロード
42_52 45+95
42_50 45+90
44_54 50+115
135 44_54 50+115 ロード
110 38_52 40+115 ロード
38_50 40+110
64/104 23_34_42 20+73+60 MTB

非円形の長短比は1.215としている。例えば、大スフロケットの52Tは、長径では57Tそして短径では47Tのスプロケットに相当する。中間スプロケットの52Tは、長径では57Tそして短径では47Tのスプロケットに相当する。メーカーは楕円形ではないとしている。シマノ又はカンパニョーロのクランクに付けて使う。メーカーによれば、円形スプロケットに較べて動力は5~15%増加し、走行速度は3%増加するという。この程度の増加を体感することは難しい。慣れるまで時間がかかる。高価なのであまり普及していない。

Ogival

1990年代中頃に世に出て、現在も市販されている。フットボール形の非円形クランクスプロケット。PCD110mmのコンパクトクランクに取り付ける。非円形の長短比は1.235と大きい。歯数は38T又は50T。クランクボルト取付穴は2種類あり、取付角度を変えられる。フランス人競技者のBernard Hinaultが使ったとされている。

バイオペース

クランクに付ける非円形(楕円近似形)のシマノのスプロケットの商品名。1980年代中頃に世に出たが生産中止となっている。歯数は大スプロケットが52Tそして中間スプロケットが42T。PCDは130mm。

クランクへの取付位置関係は楕円(オーバル)スプロケットと正反対となっている。楕円スプロケットはクランクと楕円の短径が一致しているのに対し、バイオペースはクランクと楕円の長径が一致している。楕円スプロケットは足の静的な力を考慮しているのに対し、バイオペースは動的な力(動力)が最大になるようにしている。

非円形の長短比は、当初1.09又は1.17であったが円滑な回転にするため後に1.04に変えている。

サイクロイド

スギノエンジニアリングが1989年に市販した、楕円(長円)形状のクランクスプロケットの商品名。生産中止となっている。材質はアルミ合金。歯数は52T及び42TそしてPCDは130mm。楕円形の長短比は、シマノのバイオペースより、やや大きい。

ロケットピッチ円直径 計算器

チェーンのピン芯がスプロケットの回転によって描く仮想円の直径をスプロケットのピッチ円直径(PCD)と呼ぶ。この直径はチェーン速度の計算などに使われる。

スプロケット歯数を半角数字で入れて、計算を押して下さい。スプロケットのピッチ円直径(PCD)が出ます。

スプロケットPCD 計算器
スプロケット歯数 T

スプロケットピッチ円直径 mm
計算例
歯数が44Tのスプロケットのピッチ円直径(PCD)は、178.1mm。

参考資料:チェーン→チェーン速度計算器

ボルト穴ピッチ円直径 計算器

クランク軸スプロケットは、それを複数の専用ボルトおよびナットでクランクに固定する型がある。このボルト穴は、ある仮想円の上に配置されている。この仮想円の直径(単位はmm)を、ボルト穴のピッチ円直径(PCD)またはピッチ径と呼ぶ。取り付け相手のピッチ円直径と合わない場合は、両方のピッチ円直径を持つアダプターが必要となる。

ボルト穴数および穴芯間距離(となりの穴芯との直線距離、上図左側)を半角数字で入れて、計算を押して下さい。ポルト穴の ピッチ円直径(PCD)が出ます。

ピッチ円直径 計算器
ボルト穴数 個
穴芯間距離 mm

PCD mm
計算例
ボルト穴数5、穴芯間距離の測定値が76.5mm(理論値は76.4mm)の場合、PCDは130mm。

他の計算結果は次のピッチ円直径および最小歯数を参照。

ピッチ円直径および最小歯数

歯数とPCDの関係

クランクスプロケット最小歯数とクランクに固定するボルト穴のピッチ円直径(PCD)との関係を表4に示す。

(表が見切れる場合は横にスクロールできます)

表4 クランクスプロケット最小歯数
ボルト数 最小歯数 PCD[mm] 穴芯間距離[mm]
3 29 95 82.3
34 116 100.5
4 21 64 45.3
31 104 73.5
5 19 56 32.9
20 58 34.1
24 74 43.5
29 94 55.3
30 100 58.8
33 110 64.7
34 116 68.2
38 130 76.4
39 135 79.4
41 144 84.6
43 151 88.8

単にピッチ円直径(PCD)と言えば、ボルト穴のピッチ円直径をさす。歯数が少ないとスプロケットは小さくなり、必然的にピッチ円直径は小さくなる。同表の穴芯間距離は隣接するボルト穴間の直線距離で、これを実測すれば表よりPCDが分かる。表にないものは前記のボルト穴ピッチ円直径 計算器によって計算できる。

標準

スプロケット穴のピッチ円直径に規格はないが、130mm(シマノ)または135mm(カンパニョーロ)が主流となっている。

コンパクトドライブ

ピッチ円直径(PCD)が110mm以下のスプロケットおよびクランクはコンパクトドライブと呼ばれることがある。昔は全て110mm以下であった。ギア比を小さくして登坂を楽にするため、クランクスプロケットの歯数を34T前後(22T~50T)に少なくしたスプロケットとクランクの組合せ。

写真はロード用の50T_34T(2段)のクランクセット。小さいスプロケットが装着できるよう、スプロケットをクランクに固定するボルトのPCDは110mm以下と小さくなっている。利点は質量が幾分小さくなること及びQファクターを短くしてもスプロケットが小さいのでチェーステイとの隙間が確保できること。欠点は歯数が少ないため磨耗が幾分早いこと及び互換性に乏しいこと。尚、PCD110mmのクランク(スパイダー)に取付けできるスプロケットの最小歯数は、表4より33歯。

マイクロドライブ

ピッチ円直径(PCD)が58mm以下のスプロケットおよびクランクはマイクロドライブと呼ばれることがある。1992年にサンツアーがMTB用に出した最小歯数19Tのクランクセット。大きなスプロケットと同等のギア比およびレンジを小さなスプロケットで達成しようとしたもの。 スプロケットに高度な熱処理を施すことにより、少ない歯数の耐久性上の欠点を克服した。PCDは小スプロケット用が56mmそして中および大スプロケット用が94mm。その後1994年にシマノはハイパードライブC(コンパクト)の名称で、最小歯数20Tのクランクセットを出した。PCDは小スプロケット用が58mmそして中および大スプロケット用が94mm。コンパクトドライブのような名称になっているが、マイクロドライブに近い。

スプロケットのギア比

クランクスプロケットの歯数と後輪スプロケットの歯数の比をギア比またはスプロケット比と呼ぶ。スプロケットはギア(歯車)ではないが、歯車の用語が使われている。ギア比はクランク1回転で後輪が何回転するかを表している。

チェーンのかかっているスプロケット間のギア比は次式で求める。

ギア比(スプロケット比) = クランクスプロケット歯数 ÷ 後輪スプロケット歯数

スプロケットのギア比を表にしたものはギア比表、ギアテーブルまたはスプロケット比表と呼ばれる。

参考資料:ギア比表

スプロケットの歯数例

スプロケットの歯数例は、多段ギア比計算器にあります。

スプロケットピッチ

シマノおよびカンパニョロなどの後輪多段スプロケット群(カセットスプロケット)のスプロケット間の芯間距離(スプロケットピッチ)を表5に示す。

(表が見切れる場合は横にスクロールできます)

表5 スプロケットピッチ
段数 スプロケットピッチ[mm] スプロケットのピッチ合計[mm]
シマノ カンパニョロ SRAM シマノthtd> カンパニョロ
6 5.50 5.50 27.5 27.5
7 5.00 5.00 30.0 30.0
8 4.80 5.00 4.80 33.6 35.0
9 4.35 4.55 4.35 34.8 36.4
10 3.95 4.15 35.55 37.35
11 3.85 38.5

段数が多くなるほどスプロケットピッチは小さくなっている。ピッチによりインデックスシフターに必要な動き距離が決まる。これは変速機の互換性に関係する。ピッチが異なると、ロープ(ケーブル)の動き距離に対する後ディレイラーの動き距離を変えなければならない。ピッチは小さくなっているが、段数の影響が大きいためスプロケットのピッチの合計 = ピッチ x (段数 - 1) は、段数が多くなるにつれて大きくなっている。

チェーンライン

フレーム芯からスプロケット郡の中央までの距離はチェーンラインと呼ばれる。

前2段変速の場合は、2枚のスプロケットの中間までの距離。前3段変速の場合は、中間スプロケット芯までの距離。

2段
3段

同様に後輪スプロケットのチェーンラインがある。その場合、フォークエンド間の中心をフレーム芯と見なす。チェーンラインはこのフレーム芯とスプロケット群の中心との距離。チェーンの斜め掛けを少なくするために、公称のチェーンラインはクランクスプロケットと後輪スプロケットで等しいことが望ましい。特に単速の自転車では前後スプロケットのチェーンラインを完全にあわせることが重要。公称チェーンラインは、自転車の種類と変速機によって異なるが、40.5~50mm。

一般にロード車よりもMTBのチェーンラインが大きい。MTBフレームの立管が太いこと及びタイヤが太いことなどが原因。

ディレイラーのチェーンラインはスプロケットのそれと合っていることが必要。

シマノの部品のチェーンラインは、ロード車の2段は43.5mm、3段は45mmそしてMTBは47.5mmまたは50mm。

スプロケットの磨耗

チェーンピッチが伸びると、最後に噛み合うスプロケットの歯に大部分の負荷がかかるようになり、磨耗によってスプロケットの歯形を変形させる。スプロケットのピッチは変わらないため、伸びたチェーンのローラーは歯の斜面に乗るようになり歯を磨耗させる。新品のスプロケットの歯の先端は尖っておらず、円弧になっている。歯が摩耗するとこの円弧部が少なくなってきて、終いには尖ってくる。そうなると、チェーンが歯飛びするようになる。新品時の歯の先端部の幅(3mm前後)を測っておき、定期的に測定して比較すれば、摩耗の進行状況が分かる。

歯が硬いほど磨耗は少なくなる。チタン合金はアルミ合金より硬く、合金鋼はチタン合金よりやや硬い。硬度は合金の種類および熱処理によって大きくすることができる。

表6にスプロケット歯の硬さの規格(JIS D9418、自転車-フリーホイール及び小ギヤ)を示す。

表6 スプロケット歯の硬さ
歯数 硬さ[HRA]
16以下 70以上
16を超えるもの 65以上

カセットスプロケットは次の理由により、ディレーラーの無い正規のスプロケットよりも磨耗しやすい。

(1)変速時にチェーンが外れやすいよう、歯の高さが低くなっている。
(2)幅の狭いチェーンに対応して変速時にチェーンを受け入れやすいよう、歯の肉厚が薄くなっている。

カセットスプロケットの磨耗を点検する工具としてスプロケット磨耗指示器がある。

バッシガード

 マウンテンバイクのクランクスプロケットおよびチェーンが岩または丸太などの障害物によって強打(バッシ)されるのを保護(ガード)するために、クランクに取り付けるスプロケットより大きい円板。 外周を大きな鋸歯状にして、丸太などに対してグリップ力を持たせるようにした形式もある。大スプロケットを外してその後に取り付ける形式もある。 強度を持たせるために、厚みがある。材質はポリカーボネイト(PC)などの樹脂またはアルミ合金など。樹脂製は強度は落ちるが、金属のように変形してチェーンが引っかかるということはない。バッシリングと呼ばれることもある。

歯の形状および寸法

歯の形状寸法の計算式は、JISとISOでは異なる。JISの計算式は複雑なので、ここではISOの単純な式を表7に示す。

ただし、ピッチ円直径を「d」、チェーンのローラー外径最大値を「d1」、チェーンピッチを「p」、歯数を「z」とする。

歯の高さ
最大値 ha=0.625p-0.5d1+0.8p/z
:最小値 hα=0.5(p-d1)
歯溝の形状(最小形状)
歯先円弧の半径最大値 γe=0.12d1(z+2)
歯底円弧の半径最小値 γi=0.505d1
歯底円弧の狭角最大値 α=140°-90°/z
歯溝の形状(最大形状)
歯先円弧の半径最小値 γe=0.008d1(z2+180)
歯底円弧の半径最大値 γi=0.505d1+0.069d1-3
歯底円弧の狭角最小値 α=120°-90°/z

歯底の形状は、チェーンのローラー径で決まる。 歯先の形状の計算式には歯数zが含まれているので、形状および歯の高さは歯数によって少しだけ異なる。自転車のチェーンのピッチp=12.7mmそしてローラー外径最大値d1=7.8mmである。スプロケットの製作においては、歯の形状はプレス加工で作る。

工具

ペグスパナ

スプロケットをクランクのスパイダーに固定している丸ボルトを六角レンチで外すとき、スパナの平たいペグ(突起)を丸ナットの背面の溝に入れてボルトと共回りしないように抑えておくスパナ。 クランクのほこりカバー取り外し用ペグおよび9mmの六角レンチ穴が付属している。

ロックリング工具

カセットスプロケットをフリーホイールに固定するロックリングの取付・取外しのための工具。

スプロケット抜き

カセットスプロケットのロックリングを緩めるときに、スプロケットの歯に掛けてカセットがフリーホイールで回らないよう保持しておく工具。握りの先に歯に掛ける両端を固定した5リンクほどのチェーン及び1端を固定した15リンクほどのチェーンが付いている。

スプロケット磨耗指示器

シマノのHGおよびIGカセットスプロケットの磨耗を点検する工具。メーカーは、Rohloff。測定できるスプロケットの歯数は、12~21T。工具のチェーンをスプロケットに掛けて、ハンドルを駆動方向に力を入れて押す。テストローラーが歯のへこみで自由に動けば、まだスプロケットは使える。テストローラが歯の中へ軽く動かなければ、歯の磨耗が大きくスプロケットは交換する必要がある。交換しないと、そのうちに磨耗の進行によって歯飛びを起こして駆動ができなくなる。

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