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自転車のフィッティング(ポジション出し・サイズ選び)

目的

快適かつ効率的な走行のために、自転車の各部の寸法は身体に合わせることが望ましいです。購入時に選定しておかないと後で調整できない寸法(クランク長など)と、購入後に調節できる寸法(サドル高さなど)があります。自分の身体にあうフレームサイズを選び、各部を調整する作業を一般にフィッティング(ポジション出し)と呼びます。

クランク長

クランク軸芯(BB芯)とペダル軸芯の距離をクランク長と呼びます。クランク長は脚の力を効率よくペダルへ伝達するための重要な要素です。

クランク長は後から調節できないため、購入時(またはパーツ交換時)に適切な長さを選定します。

以下の計算機で、適切なクランク長を求めることができます。

クランク長 計算器
脚長 mm
 
最適クランク長 mm
望ましいクランク長 mm
 ~ mm

ここで言う脚長とは、素足で床に立った時の床から大腿骨上端(脚の関節部分、指で押すと動く部分)までの距離で、巻き尺で測ります(ペダル踏み幅を近似するため、足の内間隔を15cmほど離して立ちます)。

脚長は股下寸法よりも、ペダルに加わる力とより強く関連します(脚長は股下寸法よりも幾分長くなります)。

市販のクランクは、165mm、170mmなど2.5mm〜5mm刻みが主流です。計算結果の望ましいクランク長の範囲で、最適クランク長に最も近いサイズを選ぶと良いでしょう。

%

計算例
脚長820mmの人は、最適クランク長は168mm、望ましい市販のクランク長は165~170mmとなります。

(注) 統計上、背が高い人ほど身長に対する脚長の割合が大きくなります。従って、身長だけを基準にしてクランク長を決めることは適切ではなく、上記の計算器のように脚長を基準に決めるのが適切です。

サドル角度

サドル上面(着座位置)が水平となす角度です。サドル上面に平板を置き、水準器や角度計(スマートフォンのアプリ等)を置いて測ります。
サドル角度=0°(水平)が標準で、サドル前部が水平位置よりも上に向いている場合はプラス(+)、下に向いている場合はマイナス(-)と判断します(右図)。

サドル角度は、シートポスト(サドル支柱)のボルトを緩めることで調整できます。

近年は、前傾姿勢を深くした際の圧迫を減らすため、サドルの前方をわずかに(1〜2度)下げるセッティングも普及しています。

サドル高さ

ペダリング効率を最も左右する重要な寸法です。

広義では、BB芯からサドル上面までのシートチューブ(立管)に沿った距離(画像のA)、BB芯からサドル上面までの垂直高さ(画像のB)、及び地面からサドル上面までの垂直高さ(画像のC)が考えられますが、通常は「A」の距離を指します。

サドル高さの調節は、シートクランプのボルトを緩めて行います。シートポストには「限界標識(Minimum Insertion)」が刻印されており、フレーム破損を防ぐため、それ以上は引き出さないでください。限界標識以上に引き出さなければ合わない場合は、フレームサイズが小さすぎるか、またはサドル支柱が短すぎます。

また、靴やペダル(クリート)を変えると、足裏からペダル軸芯までの距離が変わるため、サドル高さの再調節が必要です。

高すぎるサドルや低すぎるサドルは、ひざ痛や腰痛の直接的な原因となりますので正しく調整しましょう。

サドル高さの決め方には以下の3つの代表的な方法があります。

方法A(かかと乗せ)

ペダルを下死点(一番下)にし、靴のかかとをペダル軸上に置いたとき、ひざが真っ直ぐに伸びる高さとします。これにより、実際にペダルを漕ぐ母指球(足指の付け根のふくらみ)をペダルに乗せた状態で、ひざに少し余裕(曲がり)ができます。

この「かかと乗せ」法は短時間の出力を重視したもので、比較的高めのセッティングになりやすいため、長距離を快適に走りたい場合や、膝裏に突っ張り感があるような場合は、ここからサドルを0~10mmほど下げるのが安全なセオリーです。

なお、ペダルを漕ぐ後ろ姿を見たときに「お尻が左右に振れている」場合は、サドルが高すぎて脚が伸び切り、骨盤がブレている証拠ですので、必ずサドルを下げてください。

方法B(ひざ角度)

足をペダルの通常の位置に置いて、ペダルを下死点にしたとき、ひざ角度(画像参照)が25°~35°となるようサドル高さを決めます。標準は30°です。角度は、角度計やスマートフォンのカメラ等を用いて客観的に測ります。

方法C(係数計算 / ルモン方式)

サドル高さを「股下寸法の割合」つまり、股下寸法に係数をかけて算出する方法です。

フランス人のC. Genzling(ジェンズリング)が1978年のツール・ド・フランスの競技者を調査して導き出した係数であり、後にグレッグ・ルモンが広めたことで、現在は「ルモン方式(股下×0.885)」として世界標準となっています。以下の計算器はこの係数を採用しています。

サドル高さ 計算器
股下寸法 mm
 
サドル高さA mm

この計算式は「クランク長170mm」を前提としており、また現代のビンディングペダルとシューズの厚みを考慮すると、算出された数値は「設定できる最高の高さ」になる傾向があります。

最初はこの数値に設定し、そこから乗車目的(快適性重視なら下げる)や機材に合わせて数ミリ〜10mm程度下げるのが安全なセオリーです。

また、オフロードを走るマウンテンバイク(MTB)の場合は、重心を下げるためにロードバイクよりさらに低く設定します。

サドル前後位置

概要

クランク軸に対するサドルの前後位置で、脚力が効率よくペダルに伝達される位置に調整します。

調整方法

サドルの前後位置は、サドル下部のサドルレールをシートポスト(サドル支柱)に固定しているサドルクランプ(やぐら)のボルトまたはナットを緩めることで、約10~40mmの範囲で移動できます。

もしこの調整幅の限界までサドルを動かしても適正位置が出ない(極端な前下がり・後ろ下がりになる)場合は、そもそもフレームサイズやシートチューブ角(立管角)が体格に適していない可能性が高いです。

シートチューブ角(立管角)の影響

フレームサイズにもよりますが、シートチューブ角が立つ(角度が大きくなる)とサドル位置は相対的に前へ出ます。概ね1°立つとペダル位置は約10mm後方へ移動し、逆に、角度が1°寝る(小さくなる)と、ペダル位置は約10mm前方へ移動します。このように、サドルの前後位置はフレーム自体の設計(ジオメトリー)に大きく依存します。

標準設定(KOPS法)

最も標準的な基準は「クランクを水平(3時と9時の位置)にした際、前側の足のひざの皿(膝蓋骨)の裏側から下げ振り(または、たこ糸に重りを付けたものなど)を垂らした線が、ペダル軸の中心を通る位置」とされます(KOPS: Knee Over Pedal Spindle)。

ここを中立位置として、長距離・ヒルクライム用ならサドルを少し(例えば10mm)後ろへ、スプリントやTT(タイムトライアル)など前傾を重視する場合は少し前へ微調整します。

前後位置を動かすとサドル高も微妙に変化するため、再確認が必要です。

なお、サドル位置は、前輪および後輪に対する体重分配にも影響します。

サドル後退(セットバック)

ボトムブラケット(BB)芯からサドル先端(サドルノーズ)までの水平距離です。ロード車のサドル後退は40~90mmほどで、基本的に脚長が長いほど大きくなります。UCI(国際自転車競技連合)の競技規則では、特殊な体格の例外を除き、サドル先端はBB芯より50mm以上後退していなければならないと規定されています。

サドル後退は、サドルノーズから下げ振りを垂らして、クランク芯との水平距離を測ります。

コクピット長

ハンドルの中心からサドル中心(サドル上面とシートポスト中心線の交点)までの水平距離は、コクピット長と呼ばれます。

この長さは主に「トップチューブ長」と「ステム長」で決まりますが、フレームのヘッド角やシート角もわずかに影響します。コクピット長を変えるには、長さの異なるステムに交換して微調整するのが一般的です。

コクピット長は乗車姿勢(前傾の深さや腕の伸び具合)に直結します。全ての人に共通する最適な長さはなく、競技、フィットネス、ツーリングなどの目的によっても正解が変わります。一般的に、女性は男性に比べて身長に対する胴の割合が短いため、短めのコクピット長が向いているとされています。

参考: 乗車姿勢

スタンドオーバーハイト

自転車をまっすぐ立てた状態での、地面からトップチューブ(上管)上面までの垂直高さを「スタンドオーバーハイト(上管高さ)」と呼びます。

クリアランス = 股下寸法 - スタンドオーバーハイト

水平なトップチューブ(ホリゾンタルフレーム)の場合は高さが一定ですが、現在主流となっている、トップチューブが後方へ向かって斜めに下がる「スローピングフレーム」の場合、メーカーによって測定位置が異なります(チューブの中央で測るか、BB芯の真上で測るかなど)。

停車時に股を強く打たないための安全基準として、ロードバイクでは20~30mm、マウンテンバイクではオフロードでの足つき性を考慮して50~100mmのクリアランス(隙間)を確保できるフレームサイズを選ぶのが望ましいとされています。

ハンドル高さ

ハンドルの相対的な高さは、体が固定される「サドルの上面」を基準として決定します。サドルとハンドルの高低差は「サドル・ハンドル落差(ドロップ)」と呼ばれ、乗車姿勢(前傾の深さ)に直結します。

現代のスポーツ自転車の主流であるアヘッド式(ねじ無し)ヘッドセットの場合、ステムの下に入っているコラムスペーサーの増減や、ステム自体の上下反転によって高さを調節します。

一部のクラシックモデルやシティ車で使われるスレッド式(ねじ付き)の場合は、ステムの引き上げボルトで無段階に調節可能です。

ハンドル高さの標準(基準点)は、サドル高さと同じ(落差ゼロ)です。

シティ車やクロスバイクは、直立に近い楽な姿勢で走るため、サドルよりも高く設定されることが多いです。

ツーリング(旅行)車、エンデュランスロードでは、快適性を重視し、サドル高さと同じか、わずかに低く設定するのが一般的です。

競技用ロードバイクの場合は、空気抵抗を減らす(空力姿勢を得る)ため、サドル上面より50~100mm低く(落差をつける)設定するのが一般的です。

マウンテンバイク(MTB)は、サドル高さと同じ高さを基準として、乗車目的(クロスカントリー、トレイル、ダウンヒルなど)に合わせて±50mmの範囲で選びます。

ハンドル幅

一般にハンドルの全幅を指します。

% %

ドロップハンドルの場合、左右のパイプの中心間距離である「C-C(Center to Center)」で表記されるのが一般的です。全幅である「O-O(Outside to Outside)」は、C-Cにパイプの外径を加えた寸法となります。(※メーカーによって表記基準が異なるため注意が必要です)。

基本的なセオリーは、「自分の肩幅に見合ったハンドル幅を選ぶこと」です。

広すぎる場合、操縦性は安定しますが、前面投影面積(空気抵抗)が増え、腕や肩に余計な負担がかかります。

狭すぎる場合、操縦がややクイック(敏感)になりますが、空気抵抗は劇的に減少します。

つまり、空気抵抗と操縦性の妥協点が、肩幅と同等のサイズとなります。

※かつては「狭いと胸が閉じて呼吸が苦しくなる」とされていましたが、現在はプロ・アマ問わず空力を優先して「肩幅よりあえて狭いハンドル(360mm以下など)」を選ぶのがロードバイクの強力なトレンドとなっています。

※近年は、上部(ブラケット部)は狭く空力を稼ぎ、下部(ドロップ部)は末広がりになっていて下り坂での安定性を確保する「フレア形状」のハンドルも広く普及しています。

ただし、旅行用自転車(ランドナーなど)でフロントバッグを付ける場合や、悪路を下るMTBの場合は、安定したハンドリングを得るために肩幅より広いハンドル幅が好まれます。

また、一般的に女性は男性より肩幅が狭く、完成車に標準装備されているハンドル(400mm前後)では広すぎて、腕が突っ張り操縦性が悪くなるケースがあるため、基本的には自分の肩幅に合わせた適切な幅(360mm~380mmなど)への交換が推奨されます。ただし、物理的にハンドル幅が狭くなるとハンドリングが敏感になる特性があるため、乗り慣れるまでは注意が必要です。

ペダル間距離 (Qファクター)

左右のペダルを取り付けるクランクの外面間の距離は、Qファクターと呼ばれます。

この数値は車種(使用するクランクやBBの規格)によってあらかじめほぼ決まっており、ロードバイクは狭く、太いタイヤや泥抜けのクリアランス(隙間)を確保しなければならないマウンテンバイク(MTB)やファットバイクは広くなります。

一般的に、人間の骨格の構造上、Qファクターが狭い(両足の間隔が狭い)ほうが、脚力を自然かつダイレクトにペダルへ伝えることができるとされています。ただし、極端に狭すぎるとペダリング時に膝がフレームに擦れるなどの問題も生じるため、自分の骨盤の広さに合った自然なペダリングができることが重要です。

クリートの位置と向き

これは厳密には自転車本体の調整ではなく、ビンディングシューズ(旧称:結合靴)側の調整です。シューズの裏に固定する金具「クリート」の位置と角度を調整し、ペダルを踏み込む際の位置と足の向きを最適化します。

位置調整(前後位置)

最も基本的なセオリーは、「ペダル軸の中心の真上に、足の親指の付け根のふくらみ(母指球:ぼしきゅう)が来るようにする」ことです。(※近年は、母指球と小指の付け根の中間に軸を置くセッティングも普及しています)。

靴を履いた状態で正確な母指球の位置を見つけるための、確実な計測手順を以下に示します。

  1. 水性マジックなどで、素足の母指球の横(足の内側)に印を付ける。
  2. くるぶしから垂直下方に直線を引く。
  3. この2箇所(母指球の印とくるぶしの線)の水平距離Aを測る。
  4. シューズを履き、外側からくるぶしの位置を基準にして、水平に距離Aだけ前方にテープなどで印Bを付ける。
  5. シューズを脱ぎ、その印B(母指球の位置)がペダルの軸上にくるようにクリートの前後位置を固定する。

角度調整(向き)

クリートの水平方向の角度(足の開き具合)の調整です。
まずはシューズの靴底を縦に2等分する中心線と、クリートの中心線を真っ直ぐに合わせて仮止めします。これを基準として、自分の関節にとって自然で快適な角度に微調整します。

普段歩くときや直立した際に、つま先が前方ではなく外側を向いている人(がに股気味の人)は、ペダルに固定した際のシューズの向きも、それに合わせて自然に外側を向くようにクリートを斜めにセッティングした方が、膝への負担が少なく良好な結果を得られることが多々あります。

自転車だからといって無理に足を真っ直ぐ(進行方向と平行)に固定しようとすると、ペダリングのたびに膝の靭帯がねじれ、深刻な痛みの原因となるため注意が必要です。

フィッティング・システム(旧称:フィット装置)

自転車と乗員の身体は、ペダル、サドル、ハンドルの3点でのみ接しています。これらの相対的な位置関係(ポジション)によって、乗車姿勢やペダリングの効率、そして身体への負担が大きく変わります。

乗車目的(レース競技、長距離サイクリング、通勤など)や自転車の種類に合わせて、快適かつ動力効率が良く、痛みを出さずに走れるよう、自転車の各部寸法を身体に合わせるプロセスを「フィッティング」と呼びます。

現代のフィッティング・システム

近年のフィッティングでは、スポーツ医科学のアプローチを取り入れたデジタル・フィッティング・システムが主流となっています。

(かつては、専門の自転車店が「フィットバイク」と呼ばれる、各部の長さや角度がスライドして変えられる自転車型のアナログ専用計測装置を使い、経験則に基づいてポジションを出していました。)

代表的なフィッティング・システムとして、 Specialized社が展開する「RETÜL Fit(リトゥール・フィット)」や、「シマノ・ダイナミクスラボ」などが挙げられます。これらは以下のような特徴を持っています。

3Dモーションキャプチャー
身体の関節(肩、腰、膝、足首など)にLEDマーカーやセンサーを取り付け、実際にペダルを漕いでいる「動的(ダイナミック)な状態」をカメラで立体的に解析します。
データに基づく最適化
膝の軌道や角度が適正範囲(例:下死点での膝角度30°など)に収まっているかをミリ単位・度数単位でリアルタイムに確認し、サドルやハンドルの位置を微調整します。
ペダリング解析
ケイデンス(回転数)や左右の踏み込みパワーのバランスを測定し、最も効率の良いクリート位置やサドル高を導き出します。

これらのシステムは、プロの競技者だけでなく、「膝や腰の痛みを解消したい」「もっと楽に遠くまで走りたい」という一般のサイクリスト向けにも広く提供されており、多くのスポーツ自転車専門店(プロショップ)でサービスを受けることが可能です。

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