心拍数
心拍数は、1分間あたりの心臓の収縮回数のこと。脈拍数(動脈の拍動回数)のことをスポーツ界では、心拍数と言っている。 心拍数はサイクリングや自転車競技などの運動によって上がるので、運動強度の目安となる。 運動強度とは、運動中または運動直後の、心拍数の最大心拍数に対する割合である。 最大心拍数は年齢が増すと減少するなどの要因で、同じ運動でも運動強度は年齢や性別により異なる。
運動後心拍数は急速に減少するので、手首に指を当てて計る時は、運動後10秒以内に測ることが望ましい。 心拍数を計る計器は心拍計という。心拍計は、ほぼその時の心拍数が表示される。
心拍数は動力と相関関係があるのでその目安となる。動力を直接計測する計器としては動力計がある。
心拍数の測定
心拍計を使わずに心拍数を計るには、手首に指を当てて、1分間の脈拍を数える。 必要とする精度に応じて、30秒間の脈拍を数えて2倍してもよいし、20秒間の脈拍を数えて3倍してもよい。 下のストップウオッチは、スタートボタンを押して1秒後に最初の1が表示される。
心拍計
概要
心拍数を計測する計器。スポーツ用の心拍計は、素肌の胸にセンサーの付いた胸帯(チェストストラップ)を装着して服を着る。 測定値は指示器へ無線で送信するのが一般的。 最初の無線式心拍計を世に出したのはPolar Electro社(フィンランド、1977年設立)と言われる。
指示器
指示器は腕に付けるもの及びハンドル又はステムに付けるものがある。指示器がサイクルコンピューターと一体となった形もある。防水形もある。
胸帯
心拍数を測るセンサー、伝送器(トランスミッター)および電源となる電池を付けた、素肌の胸に巻く帯。女性はブラジャーの下の胸に巻く。 胸帯がずり落ちないように、縁を設けたスポーツブラジャーもある。センサーと一体となったブラジャーもある(上図)。 胸帯のセンサーには細長い電極が2つ付いていて、心臓の鼓動によって発生する電圧を検知する。導電性の繊維で検知するものもある。 ボタン電池が必要。指の脈拍を検知するものもある(右上図)。
付属センサー
心拍計の他に時計、温度計、高度計、気圧計およびコンパスの付いた形もある。
機能
機能はメーカー・形式によって異なり、(a)最大心拍数に対する割合[%]を表示する、(b)設定した心拍数の上限および下限において警報音を出す、(c)訓練ゾーンを設定する、(d)エネルギー消費量を表示する、(e)メモリー、(f)バックライト、(g)時刻、(h)タイマー、(i)防水、などがある。
プロトコール
センサーと表示器間のデータの伝達又は貯蔵を制御するための標準手続きであるプロトコールとしては、多くのメーカーがANT+を使っている。
電極クリーム
心拍計の胸帯の電極に塗布して、肌との通電を良くするための電解質クリーム。 冬などに乾燥肌で通電が悪く、心拍数が正常に計測・表示されない場合に、電極に塗布して肌との密着性及び通電性を良くすることを意図している。 普通の人は目に見えない汗をかいているか又は運動によってかくので、汗が導電剤となって通電障害を生じることはない。
運動強度表示
運動強度を4段階の色グラフ(白→赤)で表示する心拍計(商品名:サイクリンク)がある。 この表示の2~3段目を目安に運動すれば、効率よく運動しているとされる。 4段階は、白(~50%)、黄(50~60%)、橙(60~85%)及び赤(85%~)。 事前に自分の年齢、体重及び安静時の心拍数などを入力しておく必要がある。 パソコンにデータをUSBケーブルを使って送ると心拍数の変化、走行速度及び走行距離などのグラフが自動作成される。
運動強度計算器
最大心拍数および運動心拍数に対する運動強度などが計算できます。
性別を選択して、年齢および運動心拍数を半角数字で入れて、[計算]を押すと、 性別・年齢に対する最大心拍数および運動心拍数に対する運動強度と、運動強度50%~100%に対応する心拍数の目安が出ます。
※ サイクリングやエアロビック運動に適した運動強度は運動強度60%~80%。
※ 運動強度80%~90%はスポーツ訓練の運動強度。
※ 目的に合った運動強度の訓練はゾーン訓練とよばれることがある。
- 計算例
- 35才の男性がサイクリングに出て、心拍計で計った運動心拍数が125の時。
- →最大心拍数は186
- →運動強度は67%
- →適度な運動強度60%~80%に対する心拍数は112~149
(注1) 次のような人は、運動強度90~100%の運動はしないことが望ましいと言われる。
- 35歳以上の人
- 肥満の人
- 喫煙者
- 禁煙後1年未満の人
- 心臓病、血管病または気管支の病気の経歴がある人
- 高血圧の人