ボトムブラケット (BB)は、英国用語でクランク軸とその左右一対の軸受が一体となった部品。ボトムは底または下のことで、下部にあるブラケット(支え)という意味。フレームのボトムブラケットシェル(BBシェル)に取付ける。ハンガー(昔の米国用語)とも呼ばれる。
伝統的なカップアンドコーン形、カートリッジ形およびクランクセット一体形などがある。カップアンドコーン形およびカートリッジ形は軸受がシェルの内部に付く内部軸受であるが、クランクセット一体形は軸受がシェルの外に付く外部軸受となっている。
クランクセット一体形はメーカーが商品名を付けており、ホローテック II (シマノ)およびウルトラトルク(カンパニョーロ)などがある。
昔からあるボトムブラケットであり、シティ車などに使われている。クランク軸と一体となっていて、内輪となるコーン、外輪となるカップおよび玉が合わさって軸受となる。
左のカップをねじ込んで、カップ、コーンおよび玉(ボール)の間に遊びが無いように調整し、ロックリングで固定する。分解して、玉などを取り出すことができるので、洗浄およびグリース注入ができる。
- 概要
本体(外殻)、クランク軸、左右の密閉軸受および固定用ねじ付きリングが一体となったボトムブラケット。BBユニットとも呼ばれる。
本体右には、フレームのポトムブラケットシェル(BBシェル、後記)に固定するねじが付いている。左は固定用ねじ付きリングで固定する。
クランクと連結するクランク軸端の形状としては、四角テーパ、オクタリンクおよびISISがある。
クランク軸からクランクを外すには、クランク抜きを使う。
ワンキーリリース方式のクランクは六角レンチで外すことができる。
表1 ボトムブラケットねじ
規格 |
ねじ |
左側 |
右側 |
ISO、JIS |
1.370in x 24山 |
右ねじ |
左ねじ |
イタリアン |
M36 x 24山 |
右ねじ |
右ねじ |
- ねじの種類
ねじは表1に示すように、(ISO、JIS)および(イタリアン)の2種類がある。ISOおよびJISは左側が右ねじそして右側が左ねじとなっている。イタリアンは左右とも右ねじとなっている。
- 四角テーパー
クランク軸の両端の断面が四角でテーパーとなっている連結方式。クランクは同じく四角でテーパーの付いた穴があいている。
JISおよびISOの規格がある。JISとISOを比べると、2°のテーパー(面勾配)は同じであるが、ISOテーパーはJISテーパーよりテーパー部が少し長く、先端の四角幅が少し狭い。
そのため異なる規格のクランクが軸に入る位置は少し異なる。JISに準拠しているのはシマノなど、そしてISOに準拠しているのはカンパニョーロなど。
軸端にはM8の雌ねじがあり、M8のボルトでクランクを軸に固定する。締付トルクは35Nm。四角テーパーBBとも言う。
四角テーパーのクランク軸の付いたボトムブラケットはフランスのストロングライト社が1940年代に初めて世に出した。
-
オクタリンク
カートリッジボトムブラケットのクランク軸とクランクとのシマノの連結方式。8歯のセレーション(スプライン)を使っている。オクタは「8」のこと。
当初出たV1形(XTR、DuraAce、Ultegra、105 )及び
その後に出たV2形(DeoreXT、DeoreLX、Deore、Tiagra、Sora)がある。
スプラインの外径は等しいが、その長さ及び幅が異なるために互換性がない。V1は長さ5mm、幅2.2mmそしてV2は長さ9mm、幅2.8mm。
- ISIS
クランクと連結するクランク軸のスプラインに対するメーカー規格。オクタリンクはシマノの特許のため無償で使えないので、メーカー数社が対抗して作った規格。
国際規格であるかの如き紛らわしい名称となっているがメーカー(Race Face Performance Products、TruvativおよびSRAM など)の規格。スプラインの歯は10歯で、その断面形状はスプロケットの歯と似ている。スプライン長さは16mmで片側1°のテーパーが付いている。クランクはM15のボルトで固定する。軸の強度および軸受などの構造などは、メーカーによって異なる。オクタリンクは8歯で断面形状も異なるため互換性はない。
クランク軸の軸受部(わん、アダプター)がボトムブラケットシェルの外部に付くボトムブラケット(BB)。軸受はカートリッジ軸受が使われている。アウトボードボトムブラケットとも呼ばれる。外径の大きな軸(中空)と軸受を使うことができること及び軸受間の距離が大きくなるとにより、
剛性の向上、軽い回転および長い軸受寿命が期待できる。ポトムブラケット シェル幅(68、70および73mm)に対応した寸法のものを使う。ねじはBC1.37 x 24山およびM36 x 24山。
チェーンラインは、43.5mm(2段)および45mm(3段)。カートリッジBBは、軸受が本体胴と一体となっているが、外部BBは左右の軸受が本体と一体となっていないため、BBシェルの両端面の軸との直角加工等が行われていないと
変速性能の低下および軸受寿命の短命化が起きる。
シェル端面の加工工具としては、BBフェーシングセットがある。取付は外部ボトムブラケット工具で行う。
- 概要
中空クランク(ホローテック)と外部ボトムブラケットの組合せ方式に名づけたシマノの商品名。
2003年にXTRそして2004年にXTおよびデュラエースのクランクとして導入された。
- 特徴
右クランクとクランク軸を一体にすることにより、部品点数を減らして軽量化すると同時に剛性も向上させている。
右クランクはクランク軸と一体にすることにより、オクタリンクの構造においては右クランク固定ボルトが弛む可能性があることに対する対策としている。
ボトムブラケットシェル(BBシェル)に対して外部軸受け(左写真)となっているため、中空軸は太く、軸受は大きくそして軸受間距離は長くなっている。Qファクターは少し大きい。
- 構造
軸受部はBBシェルの内ねじにねじ込む。BBシェル両端面の平行度が必要。
軸受はカートリッジ軸受を使っている。クランク軸の左端はスプラインとなっており、クランク穴のスプラインとかみ合ってトルクを伝達する方式はクランク端は2つ割りとなっており、5mm六角レンチを使って2本のボルトで1-2-1-2-の順に交互に締める。
締付トルクは10~15Nm。軸端がオクタリンクとなっている方式もある。
表2 アダプター間距離 [mm]
シェル幅 | スペーサー厚さ | ブラケット厚さ | 合計 |
左 | 右 |
68 | 2.5 | 2.5 x 2 | 0 | 75.5 |
2.5 | 2.5 | 2.5 |
73 | 0 | 2.5 | 0 |
0 | 0 | 2.5 |
- BBシェル幅
シェル幅は68mmおよび73mmに対応している。異なるBBシェル幅に対してはスペーサーで調節する。
スペーサー(3個付属している)の厚さおよびブラケット厚さによって左右のアダプター(軸受部)間距離は75.5mmとなるようにしている(表2)。
ブラケット厚さはE形ディレイラーのブラケットおよびチェーンガイドのブラケットに対応する。
- 工具
軸受部および左クランクの取付けに専用工具(外部ボトムブラケット工具およびキャップ締付工具)が必要。
- 概要
カンパニョーロ社のクランクセットと外部ボトムブラケットの組合せ方式の商品名。2006年に出した。
- 特徴
カートリッジ形よりも太い中空軸とすることにより、軸の横剛性および捩り剛性を大きくしようとしている。
左右の外部軸受を半軸の端より入れることができるので、外部ボトムブラケットであるにもかかわらずQファクターは大きくなっていない。
- 構造
左右のクランクは中空半軸と一体となっており、BBシェルの中央部で外径10mmのボルト1本で固定する(10mmのソケットレンチを使う)。
半軸の端面は鋸歯状継手(ハース継手)となっており、自動的な芯出しおよびトルク伝達ができる。外部軸受はカートリッジ軸受を使っている。
- BBシェル幅
ボトムブラケット(BB)シェル幅は68mm。
- 工具
軸受部の取付けに外部ボトムブラケット工具そして10mmの半軸連結ボルト回しにクランクセット工具(右図)が必要。
ボトムブラケット(BB)をBBシエルに取付けるに当たって、ねじを使わず圧入(プレスフィット)によって取付ける方式のボトムブラケット。
BBシエルにねじを切る必要がないのが一つの利点。 シェル内径はロード車用及びマウンテンバイク用共に41mmそしてシェル幅はロード車用が86.5mm(BB86)、マウンテンバイク用が91.5mm(BB92)。
プレスフィットBB取付け工具及び取外し工具がある。
- 概要
クランク軸径が30mmのボトムブラケット(BB)。Cannondale社が2000年に始めた。
BB30はBBと軸受の接合方式であり、クランク軸の長さ及びクランクとの接合方法は規定していない。
- 特徴
クランク軸の材質をアルミ合金として軽量化し、剛性は軸径を太くすることにより確保しようとしている。
BBシェル径が大きいので、立管、下管およびチェーンステイに太い管を使うことができて、フレームの剛性を大きくできる。
- 構造
BBシェルを一部切断して、中の軸受および軸を見せた写真を上に示す。外径42mmの軸受がシェルに圧入されている。
外径44mm、幅1mmの環状の溝に
止め輪(スナップリング)を入れて、軸受が左右に動かないようにしている。
- BBシェル
標準のBB30シェルの断面寸法図を右に示す。図中のΦはファイではなくマルと読み(JIS)、直径の記号。
製作の寸法公差は省略した。シェル外径は規定していない。
カートリッジ軸受をBBシェルの中に入れるので、フレームにはオーバーサイズのBBシェルが必要。
シェル幅は68mmなので、外部軸受のボトムブラケットよりQファクターは小さくなる。
ただし、後輪スプロケットに対応したチェーンラインおよびチェーンステイの形状寸法によっては、Qファクターはあまり小さくならない。
BBシェルは軸受を取付けるための機械加工が必要。
- 工具
軸受の取外しおよび取付に専用の工具(一例は右図)が必要。軸受の圧入には、ヘッドセットプレスを使うこともできる。
- アダプター
軸径30mmのクランク軸を使うBB30ボトムブラケットに取付けて、軸径24mmの外部ボトムブラケットのクランク軸が使えるようにする
左右一対のアダプター(適合部品、右図)。
アダプターはBB30の左右の軸受に圧入し、クランク軸の軸受としてはBB30の軸受を使うことになる。
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外輪 | 保持器 | 内輪 | 転動体 |
- カートリッジ軸受
カートリッジ軸受は、軸受を構成している内輪、外輪、転動体(玉、ころまたは針)および保持器を一体として組み付けた軸受。
グリースの漏れおよび異物の侵入防止のためのシールまたはシールドが付いている形が使われる。
シールの付いた軸受はシール軸受そしてシールドの付いた軸受けはシールド軸受と呼ばれる。
工業用に使われている軸受は全てカートリッジ軸受であるためカートリッジという用語は使わないが、自転車にはカップアンドコーン軸受も使われているので区別するために使われることがある。
シール軸受
シールが付いた軸受。グリースの漏れ防止、防塵および防水を目的として、外部との間にシールを設けた軸受。潤滑のためにグリースを封入してある。
シールはニトリルゴムが一般的で、非接触形および接触形がある。
シールド軸受
シールドの付いた軸受。シールドは金属板を加工した環状の保護部品。
- カップアンドコーン軸受
|  |
カップ | コーン |
自転車に使われる伝統的な玉軸受。カップとコーンの間に、保持器が付いた玉が入る。
カップ(わん)形の外輪とコーン(円錐)形の内輪の間で玉が転がり回転摩擦を低減する。
わん形の外輪を使用することによって、半径方向および軸方向の荷重を同時に受けられるようになっている。
軸が安定するよう左右一対のカップとコーンを左右対称に使用する。写真はハブ軸受のカップとコーン。
- 玉材質
玉の材質としては、鋼およびセラミックがある。セラミック球を使った軸受は、セラミック軸受と呼ばれる。
カートリッジ軸受は簡単に分解できないので、軸受を点検するにはクランクスプロケットからチェーンを外して、手でクランクを勢いよく回す。異音およびガタが無く軽く回れば正常。
チェーンを外すには、クランクスプロケットおよび後輪スプロケット共に最も内側にチェーンを移してからとする。軸受寿命は長いので、積算走行距離が少ない内は点検の必要はない。
チェーンを外さなくともクランクを逆回転させれば、それなりの点検はできる。
左右のペダルに加えた力は、クランクによってクランク軸の駆動トルクとなる。
左クランクは駆動トルクをクランク軸によって右クランクに伝える。一方、右クランクはクランクスプロケット(チェーンリング)を直接駆動する。
- シェル
シェルはボトムブラケットを取り付ける円筒形の部品。
-
表3 ボトムブラケットシェルの仕様
規格 |
シェル幅 |
シェル内径 |
ねじ |
左側 |
右側 |
用途 |
ISO、JIS |
68mm |
34mm |
1.370in x 24山 |
右ねじ |
左ねじ |
ロード車、MTB |
イタリアン |
70mm |
35mm |
36mm x 24山 |
右ねじ |
右ねじ |
ロード車 |
オーバーサイズ |
73mm |
34mm |
1.375in x 24山 |
右ねじ |
左ねじ |
MTB |
BB30 |
68mm |
42mm |
ねじなし |
なし |
なし |
ロード車、MTB |
仕様
ボトムブラケットの仕様を表3に示す。同表のシェル内径は、小数点以下を四捨五入してある。
シェル内側にはボトムブラケットを付けるねじが切ってある。
イタリアン以外は、右側が左ねじとなっているので右側は右に回すと緩む。なお、左側は左に回すと緩む。ボトムブラケットとシェルの接合部はお互いに適応していなければならない。
MTBはタイヤ幅が広いため、タイヤがチェーンステイと接触しないように、その間隔を広くする必要がある。従って、シェル幅も一般には広い形を使う。
- 連結方式
シェルは下管、立管およびチェーンスティと連結する。これらの管とシェルを連結する方式には、溶接式(ラグレス式)およびラグ式がある。
ラグ式シェルはシェルとラグが一体になっている。ラグ式は管端がラグで補強される上、溶接による熱ひずみがない。
- BBフェーシング工具
BBシェルの端面の仕上げ又はBBシェル幅を短くするための切削工具。
右ねじブッシング及び左ねじブッシングにグリースまたは潤滑油を付けて
BBシェルにねじ込む。
ねじはシェル端面より中に入るようにする。張力調整ナットで切削圧力を調節する。
ハンドルでカッターを回して切削する。切削油を使うのもよい。
ボトムブラケット フェーシング カッターまたはBBフェーシング カッターとも呼ばれる。
-
BBタッピング工具
BBシェルが溶接などで変形したねじを修正、並びにねじの塗料および錆びの清掃のためのねじ切り工具。
ねじは1.37x24tpi(英、ISO、JIS)、35mmx1mm(フレンチ)および36mmx24tpi(イタリアン)の3種類がある。
ハンドルでタップを回してねじを切る。切削油を使うのがよい。
ボトムブラケット タッピングセットまたはBBタッピングカッターとも呼ばれる。
偏心円筒穴の付いたボトムブラケットシェルは、偏心ボトムブラケットシェル、偏心シェルまたはEBBと呼ばれる。
偏心円筒穴の内径は一般のボトムブラケット(BB)が入る内径となっており、BB用のねじが切られている。
偏心シェルは、その外径に合わせて内径を大きくしたフレームのシェルに入れる。偏心シェルを回転させることにより軸心が動くので、チェーンの張りを調整できる。
最大で偏心距離の2倍の距離の調節ができる。偏心シェルの固定方法には、次の3種類がある。
左から1番目の写真の形はフレームのシェルの中でねじでくさびを引き外筒を広げて固定する。2番目の写真の形はフレームのシェルをボルトで締め付けて固定する。
3番目の写真の形はフレームのねじで偏心シェル(EBB)の外面を押して固定する。
偏心シェルは、内装変速機または後輪ディスクブレーキを装備した自転車および単速の自転車に使われることがある。
タンデム車は前後のボトムブラケット間をつないでいるチェーンの張り調整が必要なために、使われることがある。
ボトムブラケットの右側のねじは、摂動によって弛まないように左ねじとなっている。
従って外すときは右に回すと弛む。
締まる方向の矢印に「TIGHTEN」(締まる)と記している形がある。
摂動は、繰返し加えられた力又はトルクによってねじが弛む現象。摂動現象は次のようにして実験できる。
右手の親指と人差し指の先を合わせて丸を作る。左手で鉛筆の先を軽く持ち、他端を右手の円に入れる。
円を右回転させる(振る)と鉛筆は左回転する。
-
ロックリングスパナ
ボトムブラケット(BB)のロックリングを回すためのスパナ。ロックリングの2つ以上の切り欠きにはめる2つ以上の爪が付いている。
3歯は外径46mm用そして1歯は外径40mm用。ロックリングレンチとも呼ばれる。
- ピンスパナ
ボトムブラケットなどのロックリングなどを回すためのピン付きスパナ。
ロックリングなどの2つの穴または切り欠きにはめる2つのピンまたは爪が付いている。ピン径は2.3mmおよび2.9mmなど。
- ボトムブラケット工具
カートリッジ形ボトムブラケット(BB)の取付・取外し用の工具。内部BBアダプター(固定リング)の20歯スプラインに工具のスプラインを入れて回す。
回すのに、36mm六角レンチを使う形(シマノTL-UN74-S)、36mm六角レンチと1/2(12.7mm)ソケットレンチの両方使える形(シマノTL-UN66)および36mm六角レンチと3/8(9.53mm)ソケットレンチの両方が使える形がある。
36mmレンチとしては、ねじ付きヘッドセット用のヘッドセットレンチが使える。
- 外部ボトムブラケット工具
外部ボトムブラケット(イクスターナルBB)のアダプター(16切込み)をボトムブラケットシェルに取付けるための工具。
柄が付いた形およびソケットレンチで回す形がある。柄付形はレンチを必要とせず、締付時に工具の歯とアダプターの切込みとの噛み合いが見える。
キャップ締付工具が付属している。ソケットレンチ形(丸形)はトルクレンチを使って所定トルクで締付けることができる。締付トルクは30~50Nm。
-
キャップ締付工具
ホローテック IIなどの左クランクのキャップを締め付けるための工具。
シマノの商品番号はTL-FC16。締付トルクは0.4~0.7Nm。
-
プレスフィットBB取付け工具
プレスフィットBB(プレスフィット ボトムブラケット又は圧入BB)を取付けるための工具。
六角穴付きボルトを六角レンチで回して、ボトムブラケットを圧入(プレスフィット)する。
右図の圧入BB取付け工具はシマノ製。
- プレスフィットBB取外し工具
プレスフィットBB(プレスフィット ボトムブラケット又は圧入BB)を取外すための工具。
右図の圧入BB取外し工具はシマノ製。
BB下がり又はハンガー下がりとも言う。前輪と後輪の軸心を結ぶ直線とボトムブラケット芯の距離(右図)。
BB下がりはコーナリングにおいて、ペダルが地面に接触するときの傾き角に影響する。経験上、許容できる傾きから決める。
タイヤ外径およびクランク長などが関係する。人体の寸法はクランク長などから間接的に影響する。
曲がりすき間(コーナリングクリアランス)を確保するためのロード系自転車のBB下がりの経験的な1つの目安は、次式の通り。
BB下がり = 240mm - クランク長
BB下がりとBB高さとの関係は、次式の通り。
BB高さ = タイヤ外径/2 - BB下がり
右図に車種によるBB下がりの違いを示す。ロード車のBB下がりの平均は68mmとなっている。マウンテンバイクにおいては、岩などの地上の障害物にペダルが当たらないようにするためにBB下がりは40mm以下で負の値(例えば-10mm)であるものもある。
負の値はBB芯が前輪と後輪の軸心を結ぶ直線の上にあることを表している。負の記号をつけないで、ボトムブラケット上がり(BB上がり)と呼ばれることが多い。
前輪と後輪の軸心を結ぶ直線の上方にボトムブラケットがある自転車に関して、前輪と後輪の軸心を結ぶ直線とボトムブラケット芯の垂直距離。略して、BB上がりとも呼ばれる。
オフロードを走るマウンテンバイクはペダルが岩などに当たるのを防ぐために、ボトムブラケット上がりを持つものがある。トライアル自転車はボトムブラケット上がりを持つものが多い。
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