登坂必要ギア比 計算器
動力体重比
ペダルの漕ぎ方
小径車
坂風
登坂では、坂に抗して人と自転車を持上げるので、後輪に大きなトルクをかける必要があり、小さいギア比が必要となる。登坂に必要な、変速機のギア比(スプロケット比、歯数比)は次の計算器で計算できます。このギア比によって、必要な最小ギア比が決まる。
必要ギア比に影響する要因は、計算器において入力となっている項目です。特に、道路勾配および動力の影響が大きい。道路勾配が大きい場合および動力が小さい場合は、小さいギア比が必要です。動力は脚力とペダル回転数の積に比例します。
なお、タイヤ外径は直接の影響は少なく、ペダル回転数および必要ギア比を使って、必要ギア比に影響のある走行速度を計算するための入力です。
登坂必要ギア比 計算器
車種を選定後、道路勾配から動力までを半角数字で入れて、[計算]を押して下さい。登坂に必要なギア比が出ます(空気抵抗は無視しています)。
自分の動力は1時間以上わたって出せる動力を使う。電動補助自転車の場合はシティ車を選び、電動補助があるので「自分の動力」としては、自分の動力の倍の値を入れてください。ペダル毎分回転数(ケイデンス)が60rpm以上となるギア比とすると、比較的楽に坂を登ることができる。
- 計算例
- 自転車の種類は27型シティサイクルで、道路勾配5%、タイヤ外径694mm、体重60kg、自転車質量18kg、ペダル回転数60rpmそして自分の動力100W(ワット)の場合、必要ギア比(速度比)は1.1以下となる。6段変速の最小ギア比が1.50(>1.1)そしてメガレンジ付き7段変速の最小ギア比が1.06(<1.1)なので、メガレンジ付き7段変速が必要となる。
動力体重比
動力体重比は、動力[W]と体重[kg]の比。体重1kgあたりの動力W(ワット)。式にすると、動力体重比 = 動力/体重。一般に、動力としては持続できる最大動力を使う。
例えば、持続できる最大動力が250Wそして体重が60kgの場合、動力体重比 = 250W/60kg = 4.2 W/kg となる。坂登りなどでは動力体重比が大きいと有利となる。 登坂は人と自転車を高いところへ持ち上げるのと同じなので、動力が大きくかつ軽いと持ち上げ易い。ツール・ド・フランスの競技者の動力体重比は5~6 W/kg。 1996年のツール・ド・フランスで優勝したBjarne Riisの動力体重比は、480W/68kg = 7 W/kg であった。ツール・ド・フランスはアルプス越えがあるので、登坂能力は重要。
ペダルの漕ぎ方
登坂においてはペダルの押下げ行程のみに力を入れがちとなるが、結合ペダルを使って全行程(360°)に渡って円滑にペダルを回すことにより、平地走行だけでなく登坂も容易となる。 登坂において体が左右に揺れているとすれば、それはペダル回転が円滑でない証。
速度に脈動が生じると脈動の度に元の速度に戻すための加速が必要となり、よけいなエネルギーを必要とする。ツール・ド・フランスの登坂のステージの競技者を見ると、ペダルを円滑に回転させていることが分かる。登坂のケイデンスは、平地走行よりやや低い70~85rpmの競技者が多い。
小径車
小径車は同一走行速度に対して大径車とギア比は異なるが、坂を上るのが楽ということはない。
坂風
坂風(スロープウインド)は、山の長い坂において上方または下方へ吹いている局地的な風。昼は地面で空気が温められ空気密度が下がるので空気が軽くなって上方へ吹く(上り坂風)。夜は地面で空気が冷やされて空気密度が大きくなるので空気が重くなって下方へ吹く(下り坂風)。風速は比較的均一で早くない(およそ3m/s以下)ので、坂風に気づくことはまれ。坂の傾きが大きいほど風速は早くなる。坂風の厚さは10m以上あるといわれる。昼間の自転車にとっては、登坂時には追い風となり下り時には向かい風となる。上記の計算器においては、坂風は考慮していません。