JIS種類・寸法
材料
強度
種類
曲がり(スイープ)
にぎり
ハンドルテープ
バーエンドキャップ
ハンドルシム
ハンドル幅
有効ハンドル幅
ハンドル高さ
ハンドルカバー
コクピット
バーエンド
バーエンドミラー
止まり木
ベル
ホーン
ハンドルは手で握って操作し、前輪の左右向きを変える部品。
ハンドルバー(ハンドル棒)と名付けられた昔は、実際に中実の棒(バー)が使われていた。現在は軽量化のために、中空の管(パイプ)が使われており、現在名付けるとすればハンドル管となる。バー(棒)を省略してハンドルと呼ばれる。
JIS種類・寸法
「JIS D9412 自転車ハンドル」が規定しているハンドルの種類および寸法を表1に示す。同表において、クランプ部とはハンドルの中央でステムと連結されている部分。
表1 ハンドルの種類および寸法 (JIS D9412)
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種類 | 全幅 [mm] |
バーの形状 (参考) |
バーの直径 [mm] | |||
---|---|---|---|---|---|---|
ハンドルの用途 | ハンドルの形式 | 一般部 | クランプ部 | |||
一般用 | MTB類形車以外の 一般用自転車に用いるもの |
組立形 一体形 レバー付き形 |
600以下 | ドロップ形 | 22.2又は23.8 | 25.4 |
フラット形 | 19.1又は22.2 | 22.2又は25.4 | ||||
アップ形(注1) | 19.1又は22.2 | 22.2又は25.4 | ||||
ハイライズ形(注2) | 22.2 | 25.4 | ||||
その他 | - | - | ||||
MTB類形車に用いるもの | フラット形 | 19.1又は22.2 | 22.2又は25.4 |
注1:アップ形はバーの上がりが250mm以下。
注2:ハイライズ形はバーの上がりが250mmを越えるもの。
市販のハンドル寸法を表2に示す。同表のにぎり径はクランプ部以外のハンドル径。ドロップ形はフラット形より先端までの距離が長いため、にぎり径が少し太くなっている。クランプ径26.0mmおよび31.8mmは規格外の商品。ステムのハンドルクランプ径は、ハンドルのクランプ径に対応していること。
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クランプ径 [mm] |
にぎり径 [mm] |
記事 |
---|---|---|
22.2 | 22.2 | BMXハンドル |
25.4 | 22.2 | JISおよびISO、フラット形 |
25.4 | 23.8 | JISおよびISO、ドロップ形 |
26.0 | 23.8 | イタリアン |
31.8 | 23.8 | オーバーサイズ |
材料
「JIS D9412 自転車ハンドル」に規定のある、ハンドルおよびステム管の材料を表3に示す。ハンドルの材料としてはその他に、クロムモリブデン(CrMo)鋼、炭素繊維強化樹脂(CFRP)、チタン合金およびスカンジウム合金も使われる。 後3者は軽量化のために使われるが高価となる。
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部品名称 | 使用材料 | 材料記号 | 引張強さ [N/mm2] |
---|---|---|---|
ハンドルバー | 機械構造用炭素鋼鋼管 | STKM11A | 290以上 |
アルミ合金継目無管 | A5060TD | 245以上 | |
ステム管 | 機械構造用炭素鋼鋼管 | STKM11A | 290以上 |
アルミ合金ダイカスト | ADC5 |
強度
「JIS D9412 自転車ハンドル」に規定のあるハンドルの強度試験項目および試験方法を要約して表4に示す。耐振性試験の振動条件を表5に示す。
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強度の種類 | 試験方法 | |
---|---|---|
片側荷重強度 | バーの片端から40mmの位置に、108Nmのトルクを加えたとき、著しい変形及び破損があってはならない。 | |
ステムの前方荷重強度 | バー取付部に2kNの静荷重を加えたとき、折損してはならない。 | |
バーとステムとの固定強度 | バーとステムとの組み付け部に最大トルクが生じる方向及び位置に、 片側に付き、220Nの力をバーの左右に同時に加えたときに、バーはステムに対して動いてはならない。 |
|
ステムの操縦管への固定強度 | ハンドルに25Nmのトルクを加えたとき、ステムはフォーク操縦管に対して動いてはならない。 | |
疲労強度 | 繰返し荷重試験 | バー末端から50mmの位置に、ステムの軸心と平行な方向の繰返し荷重を、始めに同相で5万回、 引続き逆相によって5万回加えたとき、各部に異状があってはならない。 |
耐振性試験 | バーの左右の端から40mmの位置にそれぞれ重りを固定し、表5の条件で振動を加えたとき、各部に異状を生じてはならない。 | |
引上げ棒の強度 | 推奨締め付けトルクよりも50%大きなトルクで締付けたときに、異状があってはならない。 |
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区分 | おもり質量 [kg] |
加振部の最大加速度 [m/s2] |
振動数 [Hz] |
加振回数 [回] |
---|---|---|---|---|
バーの上がりが200mm以上のもの | 7 | 9.8 | 6~10 | 20,000 |
ステムの長さが280mm以上のもの | 7 | 9.8 | 6~10 | 20,000 |
その他のもの | 8 | 9.8 | 6~10 | 20,000 |
MTB類形車に用いるもの | 8 | 20 | 6~10 | 100,000 |
種類
形状から見たハンドルの種類を次に示す。
平ハンドル
上がりハンドル
ドロップハンドル
トラックハンドル
統合ハンドル
エアロバー
ベースバー
統合エアロハンドル
ブルホーンハンドル
BMXハンドル
蝶ハンドル
ハイライズハンドル
口ひげハンドル
Hハンドル
ノースロード ハンドル
クルーザーハンドル
後退ハンドル
平ハンドル
真直ぐなハンドル(上がり = 0)。フラットハンドルまたはストレートハンドルとも呼ばれる。握る位置は1箇所。曲げるための生産費用はかからない。
上がりハンドル
ハンドルを弓状に曲げ、握り位置を高くしたハンドル。DHハンドル、ライザーハンドルまたはアップハンドルとも呼ばれる。マウンテンバイクおよびシティサイクルなどに使われる。シティサイクルは直立に近い乗車姿勢をとるため、多かれ少なかれ上がりハンドルとなっている。握り位置が高いと、山や丘の傾斜によって前傾姿勢がきつくなるのを相殺し、丘下りがやり易くなる。
バーの両端を切断して自分に合った幅に合わせる。切断用の目盛の付いているハンドルもある。幅は630~700mm、上がり(ライズ)は25~75mm。
材質はアルミ合金、クロモリ鋼またはCFRPなど。 一般に、上向および後ろ向きなどの曲がり(スイープ)がある。手の滑り防止などのために、にぎりを付ける。
ドロップハンドル
概要
ハンドルの両端が、前に出て(リーチ)下に下がった(ドロップ)ハンドル。速度を重視している競技車および長距離走行に使われるランドナーなどに用いられる。
ハンドルを握る位置によって、乗車姿勢を変えられる。平ハンドルと違って握る位置が一定していないので、人によっては長距離での手のしびれが少ない。
歩いているとき、左右の手の平は向き合っている。この手の自然な向きでハンドルを握ることができるのも、ドロップハンドルの特徴である。
形状、構造
ドロップの形状には、伝統的な円形(ラウンド)および直線部(アナトミック曲がり)のあるアナトミックハンドル(エルゴノミックハンドル)がある。
ラウンド
ドロップ部の形状が伝統的な円形であるハンドル。握る位置の調整性(多様性)がある。
アナトミックに比べてハンドルからブレーキレバーまでの距離が短く、手の小さい人にも操作できる。
アナトミック
伝統的な円形(ラウンド)の下り部に反して、握りやすいようブレーキレバー下方に斜め後方の直線部(アナトミック曲がり)を設けたハンドル。
下部の握る位置は直線部に限定されるので、握る位置の調整性(多様性)は失われる。
アナトミックは円弧形に比べて、ハンドルからブレーキレバーまでの距離が長く、手の小さい人には操作しづらいこともある。
イタリアのModolo社が1986年に市販したのが始まり。
手位置
ハンドルを握る位置(手位置)は次の(A)~(E)の5箇所があり、順に前傾が大きくなって上半身が水平に近づき空気抵抗が少なくなると同時にペダルに大きな力を加えられるようになる。
A: 横水平部(登坂に向いている)。
B: 前方に出ている部分。
C: フード (標準の乗車姿勢となる。この姿勢で楽なよう、ステム突出しなどを決める)。
D: 下がりの高い位置(ブレーキレバーの操作はできる。C位置よりもペダルに大きな力が加えられる)。
E: 下がりの低い位置。
管径
管径はメーカーによって異なるが、ハンドル一般部の直径(クランプ径)は23.8mm(JISおよびISO)が多い。ハンドル中央部(クランプ部)の直径は、一般部よりやや大きく25.4mm(JISおよびISO)、26.0mm(イタリアン)および31.8mm(オーバーサイズ)がある。
ハンドル幅
メーカーによって、ハンドルの外幅(O-O)又は左右のドロップ部の管の芯間距離(C-C)をハンドル幅と呼んでいる(図)。
外幅は芯間距離に管の外径を加えると出る。
ハンドル幅は肩幅に見合ったものを選ぶ。ハンドル幅が肩幅より狭いと空気抵抗はより減少するが、 操縦の安定性が悪くなる他、呼吸が幾分困難となる。空気抵抗と操縦性の妥協点が肩幅のハンドル幅となる。旅行用車で前にも荷物を付ける場合は、ハンドル幅は肩幅より大きい方が運転しやすい。ハンドル幅が広すぎると、長距離走行で肩や背中上部に痛みを感じることがある。女性は男性より肩幅が狭いので、肩幅に合わせると操縦の安定性が悪くなる。肩幅よりやや広いハンドル幅がよい。
市販品のハンドル幅は360~480mmとなっている(右のグラフ参照)。
UCIは(ドロップハンドルの付いた競技用の)自転車の幅は500mm以下と規定しているので、ハンドル幅も500mm以下でなければならない。
リーチ
各メーカーのドロップハンドルの幅、リーチ、ドロップおよび質量を打点したグラフを示す。
リーチは70~125mmそして平均は約85mmそしてドロップが長いとリーチも長い傾向が見られる。
ドロップ(下がり)
水平部中心線から下がり部中心線までの垂直距離はドロップ(下がり)と呼ばれる。 ドロップは120~200mmそして平均は約145mmである。
ドロップの短いものは浅曲がり又はシャロードロップそしてドロップの長いものは深曲がり又はディープドロップと呼ばれることがある。浅曲がりは小柄な人および大きな前傾姿勢を必要としないサイクリング車および旅行車などに向いている。深曲がりは大柄な人および大きな前傾姿勢を必要とする競技車に向いている。
一般に、トラックレーサーのハンドルの下がりは大きい。
取付角度
ステムに対するハンドルの角度は、次のように、基本的な(A)及び(B)並びにその中間の(C)及び(D)がある。
(A) 突出し(リーチ)部を水平にする。下がった部分は後方下に傾く。
(B) 下がった部分を水平にする。突出し部は前方に20~30°傾く。
(C) (A)と(B)の中間位置。
どちらにするかによって、レバーの付いているフードの角度が20~30°変わるので自分に合う方にする。
例えば、腕を下に自然にだらりとしたときの腕と手の関係は自然な関係であり、このときは腕の中心線と中指の中心線はほぼ一致している。フードを握ったとき、腕の中心線と中指が一致するハンドル角度が望ましい(右図)。
下がり部を握るときは、腕の中心線と中指が一致する位置を握るとよい(右図)。
(D) アナトミックハンドルは、アナトミック部を握ったときに手と腕が自然となるような角度とする。次にフードの握りおよびレバー操作が自然となるようにレバー位置を決める。
アウターみぞ
アウターをハンドルに埋めるためのみぞ。ハンドルテープを巻いた後の美観および握り感覚を良くすることを意図している。伝統的なドロップハンドルには、アウターみぞはない。単みぞ(シングルグループ)および複みぞ(ダブルグループ)がある。単みぞはブレーキアウターを受け入れる。 複みぞはブレーキおよびシフターのアウターを受け入れる。ハンドルの断面形状は真円でなくなるため、少しは強度が低下する。 みぞ位置は、ブレーキレバーからアウターが出る位置と整合していなければならない。
バテッド
軽量化のために、応力の大きくない部分の肉厚を薄くしているハンドル。肉厚はハンドル管の内部で変えているので、外観からは分からない。 応力の大きい中央部では肉厚を大きくし、それ以外は肉厚を薄くしている。例えば、割り箸の左右の端を持って曲げると、応力の大きい中央部で折れる。厚みが2種類あるものはダブルバテッドそして厚みが3種類あるものはトリプルバテッドと呼ばれる。トリプルバテッドの肉厚の一例を右図に示す。中央部は1.5mm厚、水平部は1.3mm厚そしてドロップ部は1.2mm厚となっている。
質量
ハンドル質量は、ハンドル幅およびクランプ径などによって変わるが、グラフに示すように160~300gとなっている。平均質量は、CFRP製(黒点)が210gそしてアルミ合金製(赤点)が270gである。CFRP(炭素繊維強化樹脂)製はアルミ合金製より軽い。
材質
材質は、機械構造用炭素鋼、アルミ合金、炭素繊維強化樹脂(CFRP)および スカンジウムアルミ合金などの管。アルミ合金製に ショットピーニング を施したものもある。
バーテープ
手の滑り防止等のために、ハンドルにハンドルテープ(バーーテープ)を巻いてある。ハンドル端にはエンドプラグが付く。
内向きドロップ
ドロップ部は後方に向いているのが標準であるが、特殊例として内側に向いた形がある。握ったときの手の向きが異なる。
トラックハンドル
競輪などのトラック競技用の自転車(トラックバイク又はトラックレーサー)に使うハンドル。一般にドロップ(下がり)が大きい(深い)。ドロップは170~200mm。ハンドル幅は400、420および440mmなど。クランプ径は25.4mmおよび31.8mmなど。材質はクロモリ鋼など。表面処理はクロムめっきなど。
統合ハンドル
概要
ハンドルとハンドルステムを一体に統合したハンドル。インテグレーティッドハンドルともいう。ハンドル部をコクピットと言うことがある。
種類
ハンドルの種類としては、ドロップハンドル、平ハンドル及びエアロハンドル(インテグレーティッド エアロバー)がある。
特徴
ハンドルクランプをなくすことによる軽量化、空気抵抗の減少、強度の向上及び意匠を意図している。 欠点は、ハンドルの角度調整はできないこと及びステム交換によりステム長(従って、コクピット長)を変更できないこと。
ステム長
100、110、120、130及び140mm。
質量
ハンドル幅及びステム長によって異なるが、310~440g。
特殊仕様
ドロップハンドルのハンドルステム部にサイクルコンピュータの取付ブラケットを付けた形がある(中断中央図)。
材質
アルミ合金、炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗に言うカーボン)及び木材など。木材のハンドルは木製自転車に使われる。
エアロバー(空力ハンドル)
概要
肩幅より狭い間隔で牛の角のように前方に2本出たハンドルと腕を乗せて上半身を支持する腕置き(アームレスト)を組合せ、背中を水平にして空気抵抗を減らすハンドル。操作性は良くない。TT(タイムトライアル)バーまたはクリップオンバーとも言う。
用途
トライアスロンバイクおよびタイムトライアルバイクに使われる。操作性は良くないが、トライアスロンでは操作性をさほど必要としない。ロードバイクのドロップハンドルとトライアスロンバイクのエアロバーの比較走行実験を行ったところ、エアロバーは次のマラソンにおいて早く走れるという結果が報告されている。集団スタート(マススタート)でエアロバーを使うことはUCIが禁じている。
構造
腕を乗せて上半身を支持する腕置き(アームレスト)を組合せ、背中を水平にして空気抵抗を減らす。 エアロバーはクランプでベースバーに固定するのが一般的。腕置きはジェル入りなどのパッドが付いている形が多い。空気抵抗を減らすために、パッドが付いていない形もある。 腕が横に滑り落ちないような形状となっている。ベースバーをつかむ(クリップ)という意味でクリップオンバーまたは単にクリップオンとも言う。
構成
ベースバーに突き出しをクランプで固定する形及び一体になった形がある。 ブレーキレバー及びシフトレバーが付く。ケーブルは内部を通す。
腕置き
ロードバイクは上半身の荷重を主に胴で支持するのに対し、腕置き(アームレスト)に乗せた前腕で支持する。 腕置きにはジェル入りなどのパッドが付いている。腕が横に滑り落ちないような形状となっている。
取付方法
フォークの操縦管(ステアラー)への取付は、ハンドルステムで行う。ベースバーとハンドルステムが一体となった形もある。
クランプ径
26mmおよび31.8mmなどがある。
リーチ
ハンドル中心から曲がり始め点までの距離。リーチ調整ができる形及びできない形がある。リーチ調整ができない形は、L、M及びLの三種類がある。 リーチは前腕の長さに対応する。
形状
バー(突出し又はイクステンション)の形状は一般的なL形、S形(Sベンド)および真直ぐなどがある。幅および上下角度は調整できる形が多い。前後(リーチ)の調整ができる形もある。Di2に対応した形もある。
シフター
バーエンドシフターが使われる。
材質
アルミ合金、炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗に言うカーボン)およびチタン合金など。
利点
ロードバイクのドロップハンドルとライアスロンバイクのエアロバーの比較走行実験を行ったところ、エアロバーは次のマラソンにおいて早く走れるという結果が報告されている。
ボトル
エアロバーから手を離さずに飲めるボトルがある。形状は流線型(エアロボトル)となっている(上図)。
歴史
スキーのダウンヒル競技の空力姿勢を自転車に導入できないかと考えて、設計者のレノンが考案し特許申請した。1985年に競技者のスコットが実地で使用し普及した。
乗車姿勢
ドロップハンドルは上半身の荷重を主に胴で支持するのに対し、エアロバーは腕置きに乗せた前腕で支持する。前腕と上腕の角度は、90~110°が適当。エアロバーの間隔は肩幅よりかなり狭くして、空力効果のために肩幅をすぼめるようになっている。同じ前面面積を減らすのなら、上下で減らすよりも左右で減らした方がより空力効果がある。エアロバーによる前傾姿勢度(背中はほとんど水平)はロード系自転車のドロップハンドルより大きく、人体からペダルへの動力伝達効率を上げるには、立管角(シート角)をロード系よりもきつい78度前後にする必要があることが分かってきた。つまり、ハンドルがフレームにも影響を与えた。
ベースバー
トライアスロン車及びタイムトライアル車において、エアロバー(クリップオンバー)を取り付けるベースとなるハンドル。 その形状からブルホーンとも呼ばれる。材質はアルミ合金および炭素繊維強化樹脂(CFRP)など。
インテグレーティッド エアロバー
エアロバーにおいて、ベースバー及び突出し(イクステンション)の2部品を一体にした、又はステム、ベースバー及び突出しの3部品を一体にしたハンドル。突出しクランプ及びステムクランプなどをなくすことによる空気抵抗の減少、軽量化、強度の向上及び意匠を意図している。欠点はクランプで行うことのできる角度及び位置の調節ができないこと。材質は炭素繊維強化樹脂(CFRP)など。
ブルホーンハンドル
ハンドルの握る部分が前に出て、やや上を向いているハンドル。単にブルホーンまたはカウホーンとも言う。牡牛(ブル)のつの(ホーン)とはさほど似ていないが、感じはつかめる。一般に、ハンドルテープを巻いて使う。その場合のハンドルを握る位置は、平坦部または前に出ている部分。ハンドル自体の空気抵抗はドロップハンドルよりやや少ない。主に、トライアスロン用およびタイムトライアル用のハンドル(エアロバー)の ベースバーとしても使われる。ブルホーンはシート角のきついフレームに合う。マスドスタート競技においてブルホーンを使用することを、UCIは禁止している。
BMXハンドル
BMX車に使うハンドル。上がりハンドルとなっており、左右の上がり部を水平の管(クロスバー)で結んでいる。ハンドル径はクランプ部及びにぎり部共に22.2mm。上がり(ライズ)は、220mmなど。材質はクロムモリブデン(CrMo)鋼管。ステムは突き出しが50mm前後のBMXステムを使う。
蝶ハンドル
手位置(ハンドルを握る位置)を増すために、全体として蝶(バタフライ)の羽根の外形またはめがねの枠のような形状にした水平ハンドル。バタフライハンドルまたはトレッキングハンドルとも呼ばれる。左右ともに手前は真直ぐな棒状で、その前方は水平の逆U形となっているものが多い。ハンドルテープを巻いて使う。握り位置は前(A)、横(B)および後ろ(C)の3箇所。握る位置が前(A)と後ろ(C)では前傾姿勢が変わる。ハンドルの横(B)は登坂などに使われる。旅行車および通勤車などのハンドルとして主に欧州で使われている。
ハイライズハンドル
上がり(ハンドルの握り部と中央のクランプ部の垂直距離)が250mmを越えるハンドル。頭管位置の低い小径車などに使って乗車姿勢が直立に近く楽な姿勢となるようにする。上がりが250mm以下のハンドルは上がりハンドルまたはアップハンドルと呼ばれる。
口ひげハンドル
ポマードを付けて跳ね上げた昔の口ひげ(マスターシェ)に似ている水平ハンドル。マスターシェハンドルとも呼ばれる。どこでも握れるようにハンドルテープを巻くのが一般的。稀ににぎりを付けることもある。標準の握り位置は、(A)前に出た突起部、(B)斜め前方および(C)左右の3箇所。ブレーキフードは、前に出た突起部に付け、フードを握る。ブレーキフードを含めると、握り位置はドロップハンドルと同じ4ヶ所となる。標準の握り位置は前に出た山上部。その両内側水平にブレーキフードを付ける。フードの内側ハンドルも握り位置となるが、有効ハンドル幅は短く運転操作は幾分不安定となる。シフターはハンドルの端(エンド)に付ける。旅行車および通勤車などに使われる。
Hハンドル
手と手首が自然な向きとなるようにした変形H形のハンドル。Hバーとも呼ばれる。カット形及びループ(環)形がある。腕は体に近づく。手の位置は2箇所または3箇所。ハンドルテープを巻いて、主にマウンテンバイクに使われる。クランプ径は31.8mmなど。質量は400~500g。材質はアルミ合金およびチタン合金など。
ノースロード ハンドル
フレームとほぼ平行の長いにぎり部があるのが特徴。クランプ径は25.4mm。にぎりを付けるか又はハンドルテープを巻いて使う。材質はアルミ合金およびクロモリ鋼。英国でシティ車などに使われたハンドル。ロンドンの北部にあったノースロードサイクルクラブに名前の由来があるという説がある。
クルーザーハンドル
ハンドルの手でにぎる部分が上に上がり後退しているハンドル。カマキリハンドルともいう。ハンドルステムは、ねじ付きヘッドセット用が使われることが多い。シティ車及びビーチクルーザーなどに使われる。直立に近い楽な乗車姿勢となる。材質はアルミ合金など。
後退ハンドル
握る部分が後方に向いているハンドル。ノースロードバー及びクルーザーハンドルは、後退ハンドルの一種。 ハンドルテープ又はにぎりを付けて使う。
曲がり(スイープ)
スイープは主にマウンテンバイクおよびBMX車に使われる上がりハンドルの横水平線からの曲がり又は曲がり角度。スイープは湾曲のこと。上曲がりおよび後曲がりを一緒に持っているハンドルもある。快適さおよび操作性などを考慮して、自分に合う曲がりを選ぶ。その際、座漕ぎと立ち漕ぎのどちらの乗車姿勢を優先するかによっても異なる。
- 上曲がり(アップスイープ)
- 市販のハンドルの上曲がり角はO°~6°。 上曲がり角があると立ちこぎのときのハンドルの握りが自然となる。
- 後曲がり(バックスイープ)
- 市販のハンドルの後曲がり角はO°~12°。後曲がり角があると握りが自然となる。片手で棒を握り、机の前で椅子に座って、ハンドルを握っている状態となるよう手を前に出す。机の前端と棒の作る角度が基準となる自分の後曲がり角となる。
- 下曲がり(ダウンスイープ)
- ハンドルが横水平線より下に曲がっている。
- ドロップハンドルのスイープ
- ドロップハンドルの特殊な例として、水平部を後曲がりとして、手の自然な形でハンドルを握れるようにした形がある。
にぎり
概要
ハンドルの両端に差し込んで、ハンドル操作のために手で握る部品を「にぎり」又はグリップという。
機能
にぎりに求められる機能は、手の滑り防止、緩衝、手の疲れ防止およびブレーキレバーに対する手の位置決めなど。
形状
にぎりの形状は、指形の付いた形、樽状に膨らんだ形、内側にテーパー状の形、手の平を支持する部分を設けて衝撃を手の平で受けようとする形、ジェルを入れた形、円周方向に多数のU溝を切った形、フランジが付いた形およびバーエンドの付いた形など各種ある。端面が袋状の形および開放でエンドキャップまたはエンドプラグを付ける形がある。
固定方法
ロックリング(メーカーによってはクランプと呼んでいる、右図の赤矢印)で固定する形が多い。
例えば、六角穴付きねじを六角レンチで回してロックリングを締付ける。
寸法、質量
JIS D9413(自転車-にぎり)のにぎりの寸法を表6に示す。ドロップハンドルのにぎりは、バーテープのこと。市販品の長さは110~140mmそして質量は80~200g。
内径の呼び | 内径 [mm] |
全長 [mm] | |
---|---|---|---|
ドロップハンドル | その他ハンドル | ||
16 | 15.0 | - | 70~100 |
19 | 18.2 | - | 70~100 |
22 | 21.5 | 150以上 | 80~150 |
材質
ゴム、ゴム系樹脂、コルク又は革など。
特殊にぎり
特殊なにぎりとして、ドロップハンドルのトップに付けるのにぎりがある(右上図の赤↑)。
冬に手を温めるために、電池で加温するにぎりがある。温度は6段階に設定できる。ハンドルを温めて電池の消耗を早めないよう、にぎり表面のみを加温するようになっている。
試験
JIS D9413(自転車-にぎり)の離脱力試験は次の通り。試験方法は、試験用ハンドルににぎりを取り付け60±2℃の温水に4時間以上浸漬する。にぎりを取り出した後、30分以上2時間以内に引張りジグによってにぎりの元の部分を引っ張ったとき、離脱力は100N以上でなければならない。
ハンドルテープ
概要
手の滑りの防止と衝撃の緩和のために、主にドロップハンドルに巻くテープ。ハンドルバーテープまたはバーテープとも言う。
材質
ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、皮、木綿繊維、合成皮革、ベルベット(ビロード)又はコルクなど。テープにジェル(ゲル)又はEVA発泡体を挟んで、手に伝わる衝撃を緩和したものもある。天然コルクをウレタン樹脂と混合して、衝撃吸収と手の滑り防止を兼ねたものもある。ウレタン樹脂にコルクと薄いジェルを積層したものもある。
パッド
テープの下に部分的に入れるジェルパッドがある。テープとその下のハンドルに付ける緩衝材パッドをセットで販売しているメーカーもある。
品種
手のすべり防止の突起模様(エンボス)を付けたものもある。硬いものから軟らかいものまで、各種の軟らかさのテープを揃えているメーカーもある。 位置が固定されて巻きやすいように、裏面に粘着テープを付けたものもある。
色、模様
好みの色が選べるように、各種の色を出しているメーカーがある。白、黒、灰、青、緑、黄、赤、茶などがある。フレームの色と合わせることもできる。模様を付けたものもある。
幅
テープ幅は、メーカーによって異なり、15~31mm。JIS D9413(自転車-にぎり)は幅18mm以上。
厚さ
厚さはメーカーおよび材質などによって異なり、0.8~2.5mm。JIS D9413は厚さ0.3mm以上。
長さ
テープ長さは、メーカーおよびテープ幅によって異なり、一例は175cm、220cmなど。JIS D9413は長さ2,000mm以上。
伸び率
30Nの力で引っ張ったとき、伸び率は布4%以下そして合成樹脂30%以下(18~25℃において)(JIS D9413、自転車-にぎり)。
巻き方
テープ幅の1/4を重ね合わせて巻くのが普通。ハンドルの曲がり部に於いては、外側は1/4重ねとし内側は重ね代は大きくなる。ほつれないようテープを引っ張って少し伸ばしながら巻く。巻き方向は、左が時計回りそして右が反時計回り(いずれもハンドルを握ったとき、親指が向かっている方向) とするのが一般的(ほどけにくい)。ただし、その逆にしても差し支えない。ステム側から巻き始めるのと、ハンドルの端から巻きはじめるのでは、テープの重なり具合(魚の鱗または屋根瓦のような)が逆になるので、好みの重なりとなるように巻く。ハンドルの端から巻くと、ハンドルが上から下に向かう部分で屋根瓦のような重なり具合となる。テープ幅の約1/3がハンドル端から出るように巻く。
端部処理
ステム側はテープがハンドルと直角になるように、テープを斜めに切る。テープ端部は付属の粘着の止めテープ(フィニッシングテープ)を使う代わりに、バーテープ用の ロックリング(右図、25.9mmおよび31.8mmがある)を使う方法がある。ハンドルの端部は張り出しておいたテープを管の中に入れて、エンドプラグを押し込んで固定する。
エンドプラグ
ハンドルの端部は張り出しておいたテープを管の中に入れて、エンドプラグを押し込んでテープがほどけないように固定する。材質としては炭素繊維強化樹脂製もある。反射器の付いた形およびLEDおよび電池が入っていて、夜に光らせることができる形もある。
止めテープ
ドロップハンドルなどにハンドルテープを巻いたとき、ステム側のハンドルテープ端の上に巻いてほどけないように固定するための裏面に粘着剤の付いたテープ。一般には、ハンドルテープに付属している。右図は止めテープ(フィニッシングテープ)を巻き始めた状態。粘着力が弱いときは、先に電気絶縁テープを巻いて、その上に巻くこともある。稀に、エンドテープ(和製英語)と呼ばれることもある。
参考資料: 「ハンドルテープ長 計算器
バーエンドキャップ
平ハンドルなどの両端にはめるキャップ。使用目的は、手に対するハンドル端部の安全、雨水の進入防止および美観のため。材質はアルミ合金、チタン合金および炭素繊維強化樹脂など。ハンドルへの固定は、1~2本のねじなどで行う。左右一式の質量は、20~40g。ハンドル端に差込む形は、エンドプラグと呼ばれる。
ハンドルシム
ハンドルクランプ部外径よりハンドルステムのクランプ内径が大きいとき、その隙間を埋めるための2つ割りの円環状の詰め物部品。ハンドルと滑りにくくするために、内側の軸方向に鋸歯状の複数の突起を設けた形もある。
市販のシムの寸法を下表に示す。同表のハンドルクランプ径はハンドルのクランプ部外径でシムの内径に対応する。ステムクランプ径はハンドルステムのハンドルクランプ部の内径でシムの外径に対応する。シム長さは、44mmまたは48mmなど。
ハンドルクランプ径 | ステムクランプ径 |
---|---|
22.2 | 25.4 |
25.4 | 26.0 |
25.4 | 28.6 |
25.4 | 31.8 |
26.0 | 31.8 |
ハンドル幅
一般にハンドルの全幅を言う。JISでは600mm以下でなければならない。ドロップハンドルでは左右のドロップ部の棒(管)の芯間距離をハンドル幅と呼ぶこともある。全幅は芯間距離に管の外径を加えると出る。
市販のドロップハンドルの幅をグラフに示す。幅は36~48cmであるが、42cmが多い。ハンドル幅が狭いと空気抵抗が減るが呼吸が障害を受ける。その妥協点が肩幅に見合ったハンドル幅となる。オフロードの悪路を走るMTBの場合は、ハンドルを握った中指間の間隔が肩幅より広いほうがハンドル操作がしやすい。
有効ハンドル幅
ハンドルによって、前輪の付いたフォークを旋回させるが、それには実際のハンドル幅よりも有効ハンドル幅が影響する。突き出し(ステム長)が長くなると、有効ハンドル幅は大きくなる。有効ハンドル幅によって、ハンドル端の前後の動きと旋回角の関係および旋回に必要な力が決まる。有効ハンドル幅が小さいと、ハンドルの少しの動きで大きな旋回となる。有効ハンドル幅が大きいと、少ない力で大きな旋回トルクが得られる。突き出しが極端に短い場合は、有効ハンドル幅はハンドル幅とほぼ等しい。
有効ハンドル幅の計算器を次に示す。
注) 有効ハンドル幅は、ステム縦芯とハンドル端との直線距離の2倍(左右の合計)
- 計算例
- ハンドル幅400mmそして突き出し(ステム長)90mmの場合、有効ハンドル幅は439mmとなる。
従って、ハンドル操作によるフォークの動きは、幅439mmのハンドルが突き出し零で操縦管に付いている場合と等しい。
ハンドル高さ
ハンドル上面高さはサドル高さより0~100mm低くする。サイクリング車や旅行(ツアー)車は、快適性を重視してサドル高さと同じ(高さの差=0)とするのが一般的。競技車は、空力姿勢を得るためにサドル高さより50~100mm低くするのが一般的。シティ車は直立に近い楽な姿勢で走るため、サドルよりも200mm前後高くなっている。
ハンドルカバー
防寒のためにハンドルの手で握る部分に取付けて、手を覆うカバー。平ハンドル用及びドロップハンドル用がある。ハンドルミットとも言う。紫外線から手を保護するためのポリカーボネイト製のプロテクターもある。
コクピット
飛行機の操縦室(コクピット)の連想から、自転車のハンドルステムを含むハンドル部をコクピットと言うことがある。ブレーキレバー、シフトレバー及び前照灯が付いているが、その他に次のような部品を付けることがある。
サイクルコンピュータ、バーエンド、バックミラー、バーエンドミラー、ベル、 ホーン、ハンドルバッグ、ボトルケージアダプター、止まり木、及び地図ホルダーなど。
左端図は前照灯、サイクルコンピュータ及びハンドルバッグが付いている。中図は前照灯、サイクルコンピュータ、動力計及びホーンがいている。 右端図は止まり木に2個の前照灯及びサイクルコンピュータが付いている。
バーエンド
概要
乗車姿勢を増すために平ハンドルなどの両端に追加する短い補助ハンドル棒。 手の位置を増すため及び坂を登りやすくするために、マウンテンバイクなどのハンドルの端に前向きに追加して使われる。 手の平は自由状態では内側を向いており、この自然な向きで握ることができる。
形状
1. 真直ぐなもの。
2. 「く」の字形に曲げて握り位置を2箇所にしたもの。
3. 逆「U」字形に曲げて握りを3箇所にしたもの。
4. 円筒形ではなく手の握り形状に合わせようとしたものは、アナトミック形と呼ばれることがある。
5. ドロップハンドルとしても使えるようにするドロップ形。
左人はバーエンドを握り、右人はハンドル端を握っている
取付
バーエンドの端は、環状穴になっておりハンドルの端に差し込んで、ボルトで環を締付ける形式が多い。この方式は、にぎりをクランプ幅だけ内側にずらして取付ける。
バーエンド端部の差込管をハンドル端に差込み、付属のボルトでうすを広げて固定する形もある。握りと一体にした形もある。水平に対する取付角度は自然に握れる角度とする。
左から2番目の取付図のように、にぎりの内側に付けてもよいが左右のバーエンドの間隔が肩幅より狭くなるようだと、操作性が悪い。
材質
材質はアルミ合金、炭素繊維強化樹脂(俗に言うカーボン)、マグネシウム合金又はチタン合金など。
質量
一組の合計質量は80~180gそして平均は140g。
内蔵形
望遠鏡型の後写鏡を組み込んだ形もある(左図は外観及び断面、矢印は光)。
工具を内蔵したバーエンドもある(右端図)。左右では異なる種類の工具を内蔵している。
バーエンドミラー
概要
ハンドル端(バーエンド)に差し込んで使うバックミラー。
仕様
平ハンドル用、ドロップハンドル用および何れにも使えるものがある。鏡の向きは変えることができる。折りたたみできるものもある。
規則
道路交通法 施行規則(第9条2)では、自転車の幅は60cm以下と規定しているので、鏡を付けたときはこの寸法以下に収まらなければならない。自転車に後写鏡(バックミラー)の取り付けを義務付けた規則はない。左側通行の日本は右側に付ける。
材質
鏡めっきをしたABS樹脂が多い。
止まり木
枝の付いた幹をハンドルから出して、枝に前照灯およびサイクルコンピュータなどを取付ける止まり木。メーカーは次のような独自の名称を付けている。
スペースグリップ
ハンドルに付けるT形の止まり木。2個(Tの左右それぞれ1個)の装備品が取付けできる。(株)箕浦の商品名。本体(止まり木)直径は22mm。左右20mmの範囲でスライドできる。取付できるハンドル径は、22~35mm。幅x高さの寸法は、100x80mm(質量79g)又は130x120mm(質量98g)の二種類がある。
ハンドルの他、ステムにも取付できるものとして、同じメーカーのスインググリップがある。
スインググリップ
ハンドル又はステムなどにに付けるT形の止まり木に対する(株)箕浦の商品名。 ブラケットと支柱の角度は90°の範囲で自由に変えられる。取付部のステンレスバンドの直径は、22~35mmまで無段階に変えられる。 アルミバーは20mmの範囲で左右方向へスライドさせることができる。幅x高さの寸法は、100x140mm(質量122g)又は130x140mm(質量127g)の二種類がある。
バーイクステンダー
ハンドルまたはステムなどに付属のクランプで取付けて、その取付棒に前照灯およびサイクルコンピュータなどを取付ける。 クランプ径は22~38mm。製品質量は116g。スインググリップと似た機能。Topeak社の商品名。なお、英語はバーイクステンダーであるが、ローマ字読みするとバーエクステンダーとなる。
便利ホルダー
(株)日東の商品名。クランプ径は31.8mm。バー外径は23.8mmそして長さは50mm又は90mm。材質はアルミ合金そして質量は85g。右端図はハンドルのステム横に取り付けた外観。
ベル
概要
前方の人などに知らせるために、ハンドルに付けて音を出す器具。シティ車には標準的に付いていることが多いが、それ以外の自転車での必要性は少ない。 ベルよりも大きな音を出す警報器としてホーンがある。
仕様
1. レバーを引くと連続音の出るもの及びレバーを引き離すと一度だけベルをたたくものなどがある。連続型はうるさいことがある。単音型は音色及び音の継続時間にメーカー形式差がある。
2. ハンドル端(バーエンド)に付ける形がある。
3. コンパス(方位計)の付いた形もある。
4. チタン合金製のベルがある。
5. 子供自転車用は、カラフルな絵が描かれた形がある。
ホーン
ハンドルなどに付ける警笛。音の出口が朝顔形に開いた管状の形が多い。ゴム球を握ると、ホーンののど部に付けたリードを空気が流れて音を出す(エアーホーン)。ゴムなどでできた中空の動物を押すと音がでるものもある。空気入れでホーンタンクに蓄えた圧縮空気で鳴らす形がある。使用時間は約30秒。電池を内蔵して電気的に音(115dB)を出す形(電気ホーン)もある。 主に、自動車の運転手に対する警報音として使うので大きな音が必要。前照灯に似せた形がる。