概要
整流した所定の風速の風を流して、自転車又は車輪などの空気抵抗及びCdAを測定する設備。
自転車を漕いでいる状態での自転車と人体を合わせた空気抵抗も測定できる。
空気抵抗が最小となる乗車姿勢を知るためにも使われる。
自転車などの支持体には空気抵抗(力)を測定するセンサーが付いている。
風向
風が当たる方向(ヨー角)が変えられるよう、自転車などの支持板(床)は水平回転できるようになっている。
ヨー角が変ると空気抵抗は変る。
実例
上の写真の左より順に、(1)風洞に自転車を設置した状態。前方に整流板の付いた空気吹き出し口が見える。(2)風洞に空気を循環させる送風機。空気はダクトによって循環するようになっている。
(3)乗車状態。自転車だけの状態と人が乗った状態では風の流れが異なるので、人がペダルを漕いでいる状態で測定することには意味がある。
(4)データをパソコンの画面で見ている。何れも別の施設。
営業
風洞で乗車姿勢を変えて空気抵抗を測ることなどを商売にしている会社としては、A2 Wind Tunnel 、FASTER及びVelo Scienceなどがある。
施設
テキサスには風洞複合体があり、テキサスA&M大学のFlight Research Laboratoryなどの6施設の風洞が近接して設置されている。
何時でも自由にテストできるように自社で風洞を持っている自転車メーカーがある。
右図は2012年に建設したスペシャライズドの風洞。
ベルギーに本社のある自転車メーカーLidleyは、ヘルメットメーカーのLazerなど4社と共同で2013年に自社に風洞を建設した。
費用
風洞を借りる費用は、1時間当たり日本円にして3~6万円。
CFD
コンピュータが発達しているので、計算流体力学(CFD)及びコンピュータを使って風洞の代わりをさせる方法がある。