スポーク張力
スポーク張力の例
スポーク張力と振動数
スポーク張力の変化
スポーク張力
許容できる張力はリムの強度で決まる。はとめがある場合は幾分大きい張力が許容できる。スポーク張力はタイヤが付いていない状態での値。タイヤを付けて空気を入れると、スポーク張力はやや減少する。実用範囲内でのスポーク張力の違いは、車輪の剛性に影響するほどの違いでなく、張力を大きくしてもその車輪の剛性は変わらない。
スポーク張力の例
スポーク張力の一例を表1に示す。張力の単位はN(ニュートン)。スポーク数が少ないほど大きな張力を必要とする。一例として、24本スポークは36本スポークの約2倍の張力を必要とする。
(表が見切れる場合は横にスクロールできます)
社名または商標 | 形番 | スポーク張力 [N] | |
---|---|---|---|
前輪 | 後輪(チェーン側) | ||
シマノ | WH-M540 WH-M575 WH-M959 |
960~1160 | 1030~1260 |
WH-M7701 | 1030~1570 | 960~1370 | |
カンパニョロ | Eurus | 590~785 | 930~1130 |
Neutron | 590~685 | 1180~1370 | |
Hyperon | 590~785 | 1080~1280 | |
Proton | 490~685 | 1180~1370 | |
Scirocco | 590~785 | 830~1030 | |
Zonda | 接線組 590~785 放射組 735~930 |
880~1080 | |
ボントレイジャー | Race X Lite Aero CFRP | 890~1330 | 1200~1780 |
Race X Lite Aero | 890~1330 | 1200~1780 | |
Race X Lite | 920~1330 | 1200~1780 | |
Race Lite Tandem | 980~1560 | 980~1470 | |
Race Lite | 755~1250 | 840~1560 | |
Race X Lite ATB | 490~1290 | 不明 | |
Race Lite 29-inch ATB Race Lite 29-inch Disc Compatible 2003 Race Lite Tubeless Race Lite Tubeless Disc Specific Race Tubeless Race 29-inch Disc Compatible Select Disc Compatible Select ATB Select Hybrid Select road |
490~1290 | 490~1290 | |
Superstock 29-inch Disc Compatible | 530~1290 | 530~1290 | |
Superstock Disc Compatible | 530~1290 | 530~1290 | |
Superstock | 530~1290 | 530~1290 | |
マビック | Crossride® Ceramic | 685~885 | 685~885 |
Classics SSC® | 785~980 | 785~980 | |
Crossroc UST® Crossroc UST® Disc |
885~1180 | 885~1180 | |
Cosmic® Elite | 1080~1370 | 1080~1370 | |
Crossmax® UST® Disc | 1080~1370 | 1180~1470 | |
Ksyrium® Elite | 1370~1570 | 1370~1570 | |
Crossmax UST Crossride®(前輪) Cosmos®(前輪) |
685~885 | 1080~1280 | |
Ksyrium SSC | 880~1080 | 1280~1470 | |
Crossmax® UST | 980~1180 | 1280~1480 |
スポーク張力と振動数
音名 | Hz |
---|---|
A | 440 |
G# | 415 |
G | 392 |
F# | 370 |
F | 349 |
E | 330 |
D# | 311 |
D | 294 |
C# | 277 |
C | 262 |
H | 247 |
B | 233 |
A | 220 |
ギターの弦のようにスポークをニップルの近くで弾き、その音の振動数からスポーク張力を推定する方法がある。
楽器の音はその音階によって例えば表2のように振動数がが決まっているので、楽器の音を聞き分けられる人には振動数がわかるのかも知れない。
なお、表2の最上行と最下行のAは1オクターブ違いの音。Hz(ヘルツ)は1秒間の振動数(周波数)。
振動数が分からなくとも、各スポークを弾いた音によってスポーク間の張力の均一性を知ることはできる。
スポークの密度が小さいと質量が小さくなり、振動数は大きくなる。スポークの長さが短く、外径が小さくそして張力が大きいとスポークの振動数は大きくなる(高い音となる)。
これらに対応した具体的な振動数は次の「スポーク振動数計算器」で求められる。
材質を選択後、スポークの長さ、外径および張力を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい。スポークの振動数が出ます。
- 計算例
- ステンレス鋼製でスポーク長288mm、スポーク外径2mmそしてスポーク張力900Nの場合、スポーク振動数は332Hz
スポーク張力の変化
体重の影響
全てのスポークには張力が与えられている。ハブ下(タイヤ接地点上)のスポークは、体重による圧縮によって張力が減少する。スポークを弾いて、それを確かめることができる。自転車静止状態で、前輪のタイヤ接地点上のスポークのニップルの近くを手で弾いて音を聞く。次に、家族又は友人の体重の大きい人に自転車に乗ってもらい、タイヤ接地点上の同じスポークを弾くと、スポーク張力の減少によって音の振動数が下がっているのが分かる。
タイヤ空気圧の影響
空気入れでタイヤに圧力を加えるとリムが締付けられるので、スポーク張力はやや減少する。