フレームサイズ
股下寸法
フレームサイズ計算器
フレームサイズ選定法
フレームサイズと上管高さの関係
フレームサイズと上管長の関係
フレームサイズとホイールベース
フレームサイズ
概要
前三角と後三角の共通の管である立管の長さ(立管長)は、フレームの大きさを代表しており、その長さはフレームサイズと呼ばれる。具体的には、メーカーによって次の三つのフレームサイズが使われているが、そのうちのC-T(センターからトップまで)を単にフレームサイズと呼ぶことが多い。
フレームサイズが大きくなると、それに比例して上管等のフレームを構成する他の部分の寸法も長くなる。
- フレームサイズ(C-T)
- ボトムブラケット芯から立管の上端までの距離。Tはトップの意味。測定しやすいので、昔からよく使われている。
- フレームサイズ(C-C)
- ボトムブラケット芯から立管中心線と上管中心線の交点までの距離。Cはセンターの意味。立管が上管からどれだけ突出しているかによって上記の(C-T)の数値は変わる。
- フレームサイズ(C-TT)
- ボトムブラケット芯から立管と上管上端の交点までの距離。TTは上管上部の意味。立管が上管からどれだけ突出しているかによって上記の(C-T)の数値は変わる。この寸法を使っているメーカーは少ない。
具体例
メーカーは1つの形の自転車に対し、3~8種類のフレームサイズをそろえている。そして、平均身長の人がほぼ中央のフレームサイズとなるようにしている。日本人の青年の平均身長は、男子が約171cmそして女子が約158cm。一方、欧米人の平均身長は男性が約178cmそして女性が約163cm。
サイズの刻みはメーカーによって、ロード車では20mm、25mmまたは30mmそしてマウンテンバイクでは25mm、30mmまたは50mmとしている。サイズの種類が少ないと刻みが大きい。刻みが一定でないメーカーもある。例えば、X社は49、52、54、56、58、61cmの6種類あり、2cm刻みであるが最初と最後は3cm刻みとなっている。
股下寸法
股下と立っている床の距離。股下高さとも言う。股下寸法は例えば次のようにして測る。両足を150mmほど離して、背を壁に接して立つ。 90°の角のある本などを股に挟み、その1辺は壁に接することによって、ほんの上端と床との水平を確保する。股まで押し上げた本の上端と床の距離を測る。身長にもよるが、脚長は股下寸法より50mm前後長い。股下寸法はフレームサイズおよびサドル高さに関係する。
フレームサイズ計算器
股下寸法に合ったフレームサイズの目安を計算します。
メーカーによって上管高さとフレームサイズの関係が異なるので目安となります。股下寸法が同じでも、適合するフレームサイズは自転車の種類によって異なる。股下寸法を知らない人でも身長は知っているので、身長で代用することもありますが、股下寸法を使うほうが正確です。
入力に必要な股下寸法は素足で床に立ち、股に本などを挟んでその上面(股下)と床の距離を鋼製巻尺で測る。フレームサイズは、立管(シートチューブ)の上端からボトムブラケット(BB)の軸芯までの距離。
自転車の種類を選んでから、股下寸法を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい。股下寸法に適応するフレームサイズの目安が出ます。
- 計算例
- 自転車の種類はマウンテンバイクで、股下寸法が765mmの場合。フレームサイズの目安は43cmとなる。
フレームサイズ選定法
選定法
前項の「フレームサイズ計算器」で求めたフレームサイズは代表的なものではあるが、メーカー毎に寸法図が異なるのため全てのメーカーに適合するとはかぎらないので、メーカーおよび形式が決まればそのフレーム寸法図(スケルトン)の上管(トップチューブ)高さを調べて選ぶ。
その方法は、上管との間に最小の股すきまができる高さのフレームサイズの自転車を選ぶのが一般的。 これは走行開始時および停止時には、上管を跨いで立つことを前提にしている。なお、自分に合うフレームサイズを知ること又は決めることをフレームサイジングという。
股すきま
股すきまは素足または靴をはいて上管にまたがって立った時の上管上端と股の距離。計算式で示すと、
股すきま = 股下寸法 - 上管高さ。
上管高さは水平上管の場合は明確であるが、上管が傾斜している傾斜フレームの上管高さ位置はメーカーによって異なり、次の2つの場合などがある。
・上管の前後方向の中央。
・ボトムブラケット芯(クランク軸芯)の真上。
股下寸法
股下寸法は素足または靴をはいたときの地面から股下までの寸法。一般には素足で床面に立ち測定する。上管高さは上管上面の地面からの高さ。
股すき間の具体例
素足の場合の股すき間まは、ロード系自転車では10~20mmそしてマウンテンバイクではオフロードの状態に応じて、40~90mmが望ましい。ここに、素足の場合というのは、素足で股下寸法を測定したデータを使う場合という意味。靴を履いた場合の股すき間まは、ロード系自転車では20~30mmそしてマウンテンバイクでは走るオフロードの起伏状態に応じて、50(起伏小)~100mm(起伏大)が望ましい。
フレームサイズと上管高さの関係
概要
上管高さは、上管(トップチューブ)上面の地面からの高さ(上図)。
上管が傾斜している傾斜上管の高さ位置はメーカーによって異なり、次の2つの場合がある。
・上管の前後方向の中央。
・ボトムブラケット芯(クランク軸芯)の真上。
現実には上記2点の中間点あたりに立つことが多く、その場合の上記2点との高さの差は5mm程度。
上管高さの実例
各メーカーの寸法図のデータを使って、上管高さ(スタンドオーバー)を打点したグラフを下図に示す。
横軸はフレームサイズそして縦軸は上管高さとしてある。赤点はマウンテンバイク、緑点はクロスバイク、黒点は水平上管のロード車そして青点は傾斜上管のロード車を表している。フレームサイズが大きくなると、上管高さが高くなる傾向が見られる。しかし、同じフレームサイズでも自転車種類およびメーカーによって、上管高さはばらついている。上管高さの平均は、マウンテンバイクが約770mm、クロスバイクが約770mm、水平上管のロード車が約780mmそして傾斜上管のロード車が約770mmとなっている。上管高さの平均は車種によらずほぼ等しいが、その平均が現れるフレームサイズを見ると、マウンテンバイクでは約48cm、クロスバイクでは約51cm、傾斜上管のロード車では約53cmそして水平上管のロード車では約55cmと異なっている。
フレームサイズと上管長の関係
概要
上管長は、上管中心線が頭管中心線および立管中心線と交わる交点間の距離。実際上管長とも言う。有効上管長は、頭管中心線と傾斜上管中心線との交点から水平に引いた線とサドル支柱中心線の交点間の水平距離。有効上管長は乗車姿勢に影響する。有効上管長は、傾斜上管フレームまたはコンパクトフレームの上管長(有効)と伝統的な水平上管フレームの実際上管長とを比較するために使われる。一般に、傾斜上管の有効上管長はその実際上管長より長い。
有効上管長の実例
メーカーの寸法図のデータを使って、有効上管長を打点したグラフを下図に示す。
横軸はフレームサイズそして縦軸は有効上管長としてある。赤点はマウンテンバイク(MTB)、緑点はクロスバイク、青点は傾斜上管のロード車そして黒点は水平上管のロード車を表している。有効上管長の平均はマウンテンバイクが約590mm、クロスバイクが約570mmそしてロード車の傾斜上管および水平上管いずれも約550mmとなっている。
グラフにおいて黄色の斜め45°の直線上に乗っている点のフレームは、フレームサイズと有効上管長が等しい一般的なフレームである。この黄色の直線より上方の点(フレーム)は、フレームサイズよりも有効上管長が長い。一方、黄色の直線の下方の点のフレームは、フレームサイズより有効上管長が短い。
フレームサイズが大きくなると、有効上管長は長くなる傾向が見られる。全体で見ればフレームサイズは42cmから62cmまで及んでいる。52cmぐらいが平均的なフレームサイズとなっている。 平均的にはフレームサイズが1cm大きくなる毎に有効上管長は約6mm長くなっている。
フレームサイズとホイールベースの関係
概要
ホイールベースは、前輪軸芯と後輪軸芯の距離(軸間距離)のこと。ホイールベースが大きい方が、乗り心地および走行安定性が良い。そのため、サイクリングや旅行に使う自転車は、ホイールベースが大きいほうがよい。
ホイールベースの実例
フレームサイズ(C-T)とホイールベースの関係例を下図に示す。
これは各メーカーの寸法図のデータを打点したもの。赤色はマウンテンバイク、黄色は旅行車、青色はシティ車、緑色はクロスバイクそして黒色はロード車を示す。
同一フレームサイズでもホイールベースはメーカーによって異なっている。フレームサイズが大きいほどホイールベースも大きい傾向にある。ロード車よりもマウンテンバイク、旅行車、クロスバイクおよびシティ車のホイールベースが大きくなっている。
これらのメーカーの範囲に限れば、平均的なホイールベースは、マウンテンバイクでは約1,100mm、旅行車では約1,080mm、シティ車では約1,060mm、クロスバイクでは約1,050mmそしてロード車では約980mmとなっている。
ロード車のホイールベースが短いのは主に軽量化のため。クロスバイクはマウンテンバイクとロード車の特徴をあわせ持つ自転車であるが、ホイールベースもそれぞれの値を足して2で割ったような値になっている。