概要変速のために、クランクスプロケット間でチェーンを移動させる。構造![]() ![]()
ロープ固定ボルトシフターで平行四辺形リンクを動かすロープは、アームのロープ溝に真直ぐに入れて、ロープ固定ボルト(ピンチボルト)で押して固定する(締付けトルク:5~7Nm)。動作ダウンシフト(減速)のときは外プレートでチェーンを左に押して内側のスプロケットに落とす。 アップシフト(増速)のときは内プレートでチェーンを右に押して外側のスプロケットへ押付け、そのスプロケットの歯がチェーンを引き上げる。 スプロケット側面のピックアップピンで引き上げる形もある。種類マウンテンバイク用には、ボトムスイングおよびトップスイングの2種類がある。ボトムスイングは従来の方式で、ケージ位置がクランプ位置より低い。逆に、トップスイングはケージ位置がクランプ位置より高い。 トップスイングはボトムスイングとは正反対に、平行四辺形の上リンクにケージを付け、下リンクにフレームに固定するクランプを付けた方式で、ボトムスイングと比べて、シフトレバーの操作に要する力が約30%少ないのが特徴。 なお、ロード用は伝統的なボトムスイングしかない。平行四辺形リンク機構のばねの作動方向によって、高ノーマルおよび低ノーマルがある。最大キャパシティ正常な変速のために、前ディレイラーの公称(最大)キャパシティは、クランクスプロケットの最大キャパシティより大きくなければならない。シマノの前ディレイラーの公称(最大)キャパシティは、ロード車用が16Tそしてマウンテンバイク用が22Tなど。 ![]() 例えば、大スプロケット歯数が48Tの場合は、48T-12T=36Tより中間スプロケットの歯数は36T以下でなければならない。 前ディレイラーに必要キャパシティがあるかどうの試験は次のようにして行うことができる。チェーンをクランク最小スプロケットおよび後輪最大スプロケットに掛ける。 ペダルを強く押してチェーンの弛みをとる(チェーンを張る)。チェーンがディレイラーケージのテールの内外プレート連結部と接触する場合(右図)は、スプロケットのキャパシティがディレイラーのキャパシティを超えている。 最小キャパシティ3段用の前ディレイラーには大・中間(トップ・ミドル)スプロケット間の最小キャパシティがあり、それは12Tまたは10T。例えば、最小キャパシティが12Tで大スプロケット歯数が48Tの場合は、48T-12T=36Tより中間スプロケットの歯数は36T以下でなければならない。 試験は次のようにして行うことができる。ディレイラーのケージを内から外へ動かして、内プレートが中間スプロケットと当たらずに超えることができれば最小キャパシティを満足している。 最小キャパシティは内プレートの下部の形状および外プレートとの相対的な高さ(オフセット)と関係している。 チェーンステイ角![]() (B) シマノの前ディレイラーの仕様では、チェーンステイが立管と作る角度(立管-チェーンステイ角度)を、チェーンステイ角と呼んでいる(右図B)。 チェーンはチェーンステイに沿って走るため、立管に固定する前ディレイラーのケージとチェーンの位置関係が適切となるチェーンステイ角のディレイラーを選ぶ。 ディレイラーの公称チェーンステイ角はロード車用では61°~66°そしてマウンテンバイク用では63°~66°および66°~69°がある。 実際のチェーンステイ角(B)が公称チェーンステイ角より小さいと、キャパシティが足りない可能性がある。 逆に、実際のチェーンステイ角が公称チェーンステイ角より大きいと、ディレイラーには必要以上のキャパシティがあることになる。 チェーンライン前ディレイラーのチェーンラインはスプロケットのチェーンラインと合っていることが必要。取付方式フレームへの取付方法としては、ロード用にはクランプ(バンド)式および直付け式があり、マウンテンバイク用にはクランプ(バンド)式およびEタイプ(E形)がある。
アダプタークランプ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ディレイラーシム
![]() スイング方式![]()
引き方式ロープ(ケーブル)がディレイラーの下から来るか又は上から来るかによって、下引き及び上引きがある。![]()
保守スムースに動くように、可動部に注油することが望ましい。周りに付いた潤滑油に粉塵などが付着しないように、拭取る。SPCM![]() 常に最適点で変速するため、変速の衝撃が少ない。Nexaveに分類されておりクロスバイクなどに使われる。専用のシフターなどを使う。
チェーン案内は、前ディレイラーの変速において、チェーンが脱落しないように案内する部品。メーカーは独自の商品名を付けており、例えば次のようなチェーン案内がある。
|
概要 | 構造 | プーリ | 動作 | ケージ長 | キャパシティ |
スラント角 | 動き比 | シャドウディレイラー | シャドープラスディレイラー | ディレイラーハンガー | 保守 |
車種 | キャパシティ | ||
短ケージ | 中ケージ | 長ケージ | |
ロード車 | 29T (SS) | - | 37T (GS) |
MTB | - | 33T (GS) | 43T (SGS) |
ケージ長、mm | 50 | 74 | 86 |
デュアルコントロールレバー | エルゴパワー | バーエンドシフター | 下管シフター |
サムシフター | ラピッドファイアー | グリップシフター | アイスペック |
項目 | STI | エルゴパワー |
レバー | ブレーキレバーは シフトレバーと共用。 | ブレーキレバーは ブレーキ専用。 |
アウター |
![]() ブレーキ用は バーテープ下となるが シフター用は外に出る。 |
ブレーキ用および シフター用共に バーテープの 下となる。 |
(1) 大スプロケットから小スプロケットへ変速しにくい | ![]() |
(2) チェーンがフレーム側へ落ちる | ![]() |
(3) 小スプロケットから大スプロケットへ変速しにくい | ![]() |
(4) チェーンがクランク側へ落ちる | ![]() |
![]() |
![]() |
チェーンのたすき掛け |
概要 | 歴史 | 特徴 | 遊星歯車 | 後輪ハブ変速機 | クランク軸変速機 | 無段変速機 | 総合ギア比 計算器 |
|
|
|
段数 | ロックナット間距離 [mm] |
スポーク穴数 | 記事 |
3段 | 120 | 20、28、36 | |
4段 | 130 | 28、36 | 生産中止 |
7段 | 130 | 36 | |
8段 | 132 | 36 | |
11段 | 135 | 32、36 |
表1のギア比の内装変速機付き自転車の固定スプロケットのギア比と内装ギア比を総合した、自転車としての総合ギア比を計算します。 「内装段数」を選択後、クランクおよび後輪のスプロケット歯数を、半角数字で入れてください。 ![]() [ 計算例 ] 内装変速機は3段、クランクスプロケットは39Tそして後輪スプロケットは15Tの場合。 ![]() 走行速度は「走行速度計算器」で計算できる。 その際、ギア比としては総合ギア比を入力する。 |
![]() |
![]() |
![]() |
|
たいこ | キャップ |