自転車定義
形式
乗車位置
操縦
推進
大きさ
サドル位置
サドル寸法
BB高さ
車輪位置
フォーク
車輪寸法
自転車質量
フレーム1
フレーム2
ハンドル
突出しバー
空気抵抗
トラック、サイクロ
衣服
ヘルメット
UCI (国際サイクリング連合、Union Cycliste Internationale [仏語]、Internationsl Cycling Union [英語])は、 その憲章によればサイクリング(自転車)の多面的(スポーツ競技、リクリエーションおよび輸送手段)推進を目的としている。
ツール・ド・フランスなどのUCI 公認の競技は、UCI 規則に準拠して行われる。
規定にある寸法は下図に示す。寸法線の下の小さい数字は条項番号。
以下は規則の抜粋を示す。欠番は省略したもの。条項の後の【】内の説明及び本文の【】内の注記は筆者が加えたもの。
1.3.006【自転車定義】
自転車は等しい直径の2つの車輪を持つ乗り物である。前輪は操縦できること。後輪はペダルおよびチェーンで構成する系によって駆動できること。
1.3.007【形式】
自転車およびその付属品は、サイクリングをスポーツとしている人が使うために販売されたか、又は販売できるものであること。特定の目的(競技記録など)のために特別に設計された自転車は認めない。
1.3.008【乗車位置】
自転車には乗り手の乗車位置があること。その位置はペダル、サドルおよびハンドルバーだけで支持されること。
1.3.009【操縦】
自転車は乗車して、いかなる状況においても、安全に操縦できるハンドルバーを有すること。
1.3.010【推進】
自転車は電気等の補助なしに、足を円運動させることだけでチェーンセット【クランクセットに対する英国用語】によって推進できること。
1.3.012【大きさ】
自転車は全長1,850mm以下そして全幅500mm以下のこと。タンデムは全長は2,700mm以下そして全幅は500mm以下のこと。
1.3.013【サドル位置】
サドル先端のボトムブラケット芯からの水平後方距離は最小50mmとする。
この制限はトラックスプリント、ケイリン、500mまたは1kmタイムトライアルの競技者が乗る自転車には適用しない。
しかしながら、いかなる状況においても、サドル先端はボトムブラケット軸を通る垂直線の前方へ出てはならない。
1.3.014【サドル寸法】
サドル座面は水平とする【サドル前部及び後部の高い点を通る面の傾き】。サドル長さは最小240mmそして最大300mmとする。
1.3.015【BB高さ】
ボトムブラケット芯と路面の距離は最小240mmそして最大300mmのこと。
1.3.016【車輪位置】
ボトムブラケット芯と前輪軸芯の水平距離は最小540mmそして最大650mmのこと。ボトムブラケット芯と後輪軸芯の水平距離は最小350mmそして最大500mmのこと。
1.3.017【フォーク】
フォーク内幅は105mm以下そしてシートステイ内幅は135mm以下のこと【上図】。【内幅は実質的にはつめ間隔のこと】
1.3.018【車輪寸法等】
車輪直径はタイヤを含めて700mm以下そして550mm以上のこと。
サイクロクロス自転車【サイクロクロスバイク】のタイヤ幅は35mm以下【2010年に33mmを越えてはならないに改定】そしていかなる形であろうとスパイクまたはスタッドを持っていないこと。
スポーク本数は16本以上、スポーク厚さは2.4mm以下、そしてリムの断面高さは25mm以下のこと。
1.3.019【自転車質量】
自転車の質量は6.8kg以下であってはならない。【軽い自転車に乗る人が有利にならないよう、自転車質量に下限を設けている。】
1.3.020【フレーム1】
タイムトライアル以外のロード競技およびサイクロクロス競技の自転車のフレームは、伝統的な形式すなわち主三角【前三角】の回りに組んだ形式のこと。
主三角は管の中心線が真直ぐな直管またはテーパ管(断面形状は円、楕円、扁平、涙形など)で構成すること。
フレームを構成する管の連結は次によること【前三角および後三角で構成した菱形フレーム以外は認めない。】
- 上管(トップチューブ)は頭管(ヘッドチューブ)の上部および立管(シートチューブ)の上部に連結する。
- 立管はボトムブラケットシェルに連結する。
- 下管(ダウンチューブ)はボトムブラケットシェルおよび頭管の下部に連結する。
- 後三角はチェーンステイおよびシートステイで構成する。
- 管の最大高さは80mmそして最小幅は25mmとする。
- チェーンステイおよびシートステイについては、最小幅は10mmとする。
- 前フォークの最小厚さは10mmとする。形状は真直ぐまたは曲がりのいずれでもよい。
- 上管は傾斜を付けてよい。ただし、その傾斜管は高さ160mmそして幅25mmの水平空間内に入ること。【管の高さ制限によって特殊なフレームを規制している。】
1.3.021【フレーム2】
ロードタイムトライアルおよびトラック競技の自転車フレームは、管または中実とし、組み立てまたは一体成型とする。ボトムブラケットシェルを含めこれらのフレームは条項1.3.020で定めた形状内に納まること。
1.3.022【ハンドル】
条項1.3.023に含まれる競技以外では、伝統的形式のハンドルバー【ドロップハンドルのこと】のみを使うこと。
手の支持点は次の領域にあること【極端な前傾姿勢等は認めない】
- サドル座面を通る水平面の下方。
- 車輪の最も高い点を通る水平面の上方。
- 操縦菅(ステアリングコラム)の後端面を通る斜平面の前方。
- 前輪車軸の前方50mmを通る垂直面の後方。
ただし、スプリント、ケイリンまたはオリンピックスプリント競技の自転車に対しては、前輪車軸の前方100mmを通る垂直面の後方とする。
ハンドルバーに付いている各ブレーキレバーは2つの支持があること。レバー支持部でレバーを手で引くことによってブレーキ操作ができること。
これ以外の使用ができる支持の突き出しまたは再配置は禁止する。ブレーキと変速の一体制御方式は使ってよい。
1.3.023【突出しバー】
ロードタイムトライアル競技およびトラック競技(個人およびチーム、キロメートルおよび500m)に対し、操縦系に突出しバー【ブルホーンなど】を付けてよい。
ボトムブラケット軸とハンドルバーの最先端【突出しバーを含む】の水平距離は750mm以下のこと。他の制限は条項1.3.022と同じ。肘または前腕の支持器は付けてよい。
ロードタイムトライアル競技においては、突出しバーに固定したレバーは使用方法が変わらない限り、750mm限界の前方まで出してよい。
1.3.024【空気抵抗】
保護スクリーンおよび流線形の胴などの空気抵抗を減少させるか又は推力を増す目的または効果のあるいかなる装備の追加または組み込みを禁止する。
保護スクリーンとは風の抵抗を減らすように設計された、固定の風防装置である【前方に取り付ける】。
胴形は断面を後方に伸ばす【涙滴のように】かまたは流線形にするものである。長さと直径の比が3以下なら許容する。
【以下のボトルの規定は、本来の飲料用のみに使用し、空気抵抗を減らす目的には使わないようにさせるため】
ボトルはフレームと一体にしてはならないそしてフレーム内側のダウンチューブ(下管)およびシートチューブ(立管)にのみ設置できる。
競技用に使うボトルの断面寸法の最大は10cmを超えたり又は4cm以下であってはならない【断面寸法は4~10cm】。
その容量は最小400mlそして最大800mlでなければならない【容量は400~800ml】。
1.3.025【トラック、サイクロクロス】
フリーホイール、多段変速機およびブレーキは競技または練習においてトラックでの使用を禁止する。
ディスクブレーキのサイクロクロスの練習および競技での使用を禁止する。【2010年にディスクブレーキの使用を許可した。】
1.3.026【衣服】
競技中、乗り手はスリーブの付いたジャージーおよびショーツ(恐らく、一体となったスキンスーツ)を着用すること。 ショーツはひざの上まであること。スリーブのないジャージーは禁止する。
1.3.031【ヘルメット】
- トラック、マウンテンバイク、サイクロクロスおよびBMX(バイシクルモトクロス)の競技および練習中には、堅い安全ヘルメットを着用すること。
- ロード競技中には堅い安全ヘルメットを着用すること。