概要
炭素繊維の織物(炭素繊維布)を積層して、形状を維持するためにエポキシ樹脂などで固めたもの。
CFRPまたは炭素繊維複合材ともいう。俗にカーボンといわれる。
炭素繊維の割合
フレームに使われる炭素繊維強化樹脂の炭素繊維の割合は容積で60~65%のものが多い。樹脂の割合は質量で25~40%のものが多い。樹脂の割合が少ないと、炭素繊維を保持できない。
炭素繊維の割合の上限は70%とされている。樹脂の割合が多いと、重くなりかつ強度が低下する。そのため、炭素繊維/樹脂の最適比がある。
強度
強度は炭素繊維の原料の種類、繊維の織り方、積層の向き、積層数および樹脂の割合などで異なる。強度は炭素繊維量に比例する。
炭素繊維の引張強度は鋼材よりも大きいが、樹脂の強度、弾性率は鋼材よりも小さく、成型されたものは炭素繊維そのものの強度、弾性より低下するものの、鋼材と同程度、もしくはそれ以上の強度を持つ。
密度
軽さの指標となる密度は、クロモリ鋼の約1/5そしてアルミ合金の約1/2である。
振動吸収性
振動吸収性は鋼材に比べてはるかに大きい。
製品
炭素繊維強化樹脂製の製品としては、フレーム、フォーク、ハンドル、ハンドルステム、サドル支柱、クランク、リム、
ヘルメット及びボトルケージなどほとんどの製品に使われる。軽量化を主目的としている。
原材料(炭素繊維)費が高いこと、製造コストが高いこと及び利益率を大きくしなければならないこと、により高価となる。
価格が軽量化に見合っているかは、使用者の価値観による。
寿命
炭素繊維強化樹脂の寿命は、炭素繊維よりもはるかに短い寿命のエポキシ樹脂の寿命で決まり、10年以上である。
製法
炭素繊維布を所定の形状に切断して、樹脂を浸み込ませてプリプレグを作り、
オートクレーブ(耐圧釜)などの加熱炉で加熱して硬化させる。右図はBike Ahead Composites社のオートクレーブ。