定義
2人以上が直列に並んで乗る2輪自転車。タンデムは直列に並んでいるという意味で、何人乗りであるかは表していないが、 2人乗りのタンデムが最も普及しているために、タンデムというと2人乗りのタンデムを指すことが多い。 タンデム車(JIS)とも呼ばれる。ハンドルは平ハンドルおよびドロップハンドルがある。
東京都道路交通規則においては、タンデム車を次のように定義している。
「2以上の乗車装置及びペダル装置が縦列に設けられた二輪の自転車をいう。」
リカンベント タンデムもある。
文化的背景
欧米では夫婦で行動するという文化的な背景が夫婦2人乗りという自転車の車種に反映されている。
特徴
2人で漕ぎ空気抵抗は1人強なので楽に走ることができる。ホイールベースが長いので走行安定性が良い。2人が2台の自転車に乗る場合と比べると、会話がし易い。後の人は地図を見ることができる。目の不自由な人も乗ることができる。
構造
2人乗りタンデムの基本設計は夫婦で乗ることを前提としているので、後ろ(女性)のサドル高さは前より低いがサドル高さは調節できる。 好みの乗車姿勢が取れるよう、後ろのハンドルの前後および上下位置は調節できる。乗車定員の数だけ、サドル、ペダル及びハンドルが直列に付いている。
変速機が付き、旅行用は前照灯、泥除け、荷台及びボトルケージなどが付いた形が多い。
駆動系統
前クランクには1個のスプロケットが付いていて、タイミングチェーンが掛かっている。後クランクはタイミングチェーン用の前スプロケットと同歯数の1個のスプロケット及び 後輪駆動用の1個または変速段数に応じた複数のスプロケットが付いている。
タイミングチェーンの張りが調節できるよう、偏心ボトムブラケットが付いている。
車輪
車輪は強度を持たせるために、スポーク数は40本又は48本そして後輪ハブのロックナット間距離(OLD)は145mm又は160mmが多い。タイヤ寸法は700C及び26型(インチ)が多い。タイヤ幅は32mm又は35mmが多い。
運転
前に乗る人はキャプテンそして後ろに乗る人はストーカーと呼ばれる。キャプテンはペダル漕ぎおよび操縦をし、停止時には倒れないよう上管を跨いで両足を地面に着く。ストーカーはペダル漕ぎのみで操縦はできない。 ストーカーのハンドルはキャプテンの サドル支柱に付いているが操縦はできない。 前後のクランクのスプロケットはチェーンでつながっているので、乗員はペダル回転数に関して同意が必要。独立駆動のタンデムもあるが高価である。
質量
2人乗りタンデムの質量は約21kgでロードバイク2台分よりは重く、クロスバイク2台分よりは軽い。
速度
動力は2人分であるのに対し、高速で問題となる空気抵抗は1人よりいくらか多い程度なので、50km/hの速度で走ることも可能。
全長
前輪先端から後輪後端までの距離(全長)は、240~250cm。
材質
フレームの材質はクロムモリブデン鋼(クロモリ鋼)、アルミ合金および炭素繊維強化樹脂(CFRP、俗に言うカーボン)など。
価格
価格は、1人乗り自転車の3倍弱。
3~5人乗り
3人乗りタンデムはトリプレットタンデム車又は単にトリプレット車と呼ばれる。4人乗りタンデムはクワッドタンデムまたはクワッドそして5人乗りタンデムはクイントタンデムまたはクイントと呼ばれる。
特殊タンデム
(1) 子供が前方に乗り、後方の大人がハンドル操作をする形がある。子供も前方の景色を見ることができる。
(2) 子供が2人で乗る四輪のタンデムがあるが、目の前に管があるという好ましくない設計となっている(上図)。
規則
タンデムで公道走行できるかは、都道府県の県公安委員会規則などによる。山形、長野、兵庫、広島、愛媛及び宮崎などは公道走行ができる。
メーカー
紀洋産業 、Aiolos Folding Bicycles 、Bernds 、Bilenky Cycle Works 、Bohemian Bicycles 、Buddy Bike 、Burls Bicycles 、Cyfac 、Calfee Design 、 Circe Cycles 、Co-Motion Cycles 、da Vinci Designs 、Dawes Cycles 、 Electra Bicycle 、Gébré 、KHS 、 Monark Exercise 、Montante Ccicli 、Orbit Tandems 、Pedalpower 、Royal Dutch Gazelle 、Santana Cycles 、Seven Cycles 、Sun Bicycles 、Thorn Cycles 、TiCycles 、Zwei plus zwei 、など。