自転車に乗って走る時の姿勢。身体と自転車の接点は、ハンドル、サドルおよびペダルであり、この3点の相対位置によって乗車姿勢がほぼ決まる。
乗車姿勢は空気抵抗、出力、走行速度、快適さ、操縦性および持久性などに影響する。
これらの中には互いに反するものもあり、全てを満足する乗車姿勢はなく、これらの妥協となる。
乗車姿勢は自転車の種類(ロードバイク、トライアスロンバイク及びリカンベントなど)、構造及び寸法(コクピット長及びサドルとハンドルの相対高さ)などで決まるが、ドロップハンドルなどの握る位置によっても変わる。
早く走るためには、空気抵抗を減らすために前傾姿勢とし、手足の左右幅は小さくする。
手の幅は肩幅より小さくすると操縦が不安定となるので、トレイルが大きいことが意味を持つ。
足幅はクランク外端間距離(Qファクター)で決まる。乗車姿勢によって肩角度は変る。
右図の乗車姿勢において、左から1~3番目まではドロップハンドル、4番目は
タイムトライアルハンドルそして5番目はリカンベントの乗車姿勢。
走行速度40km/hのとき、タイムトライアルハンドルの乗車姿勢はドロップハンドルの乗車姿勢に比べて動力は約30W少ない。
乗車姿勢を簡単に調べる方法として、乗車して前輪ハブを見る方法がある(上図)。
ハンドルの後方に前輪ハブが見える場合は、胴角度(水平と胴の角度)が大きいとみなす。
ハンドルの前方に前輪ハブが見える場合は、胴角度が小さいとみなす。正確さはなく一つの目安であり、人によってはハブがハンドルに隠れる姿勢が最適ということでもない。
乗車姿勢の違いによる空気抵抗の違いは、風洞及び計算流体力学で知ることができる。