概要
リカンベントの座(シート)の路面からの高さ。一般に、座面の最も低い場所の高さを表す(右図)。
シート高さ及びBB高さ
横軸にシート高さそして縦軸にBB高さを取り、各社のデータを打点したグラフを右図に示す。
黒点は二輪車そして赤点は三輪車を表している。緑色の線はシート高さとBB高さが等しい点を表している。 緑線の上方の点はシート高さよりBB高さが高い。
緑線の下方の点はシート高さよりBB高さが低い。シート高さの平均は、二輪車が約53cmそして三輪車が約27cmである。
BB(ボトムブラケット)高さ(クランク軸高さ)の平均は、二輪車が約65cmそして三輪車が約38cmである。
二輪車
シート高さが高い方が重心が高くなり、均衡を取りやすくなり動的には安定する。
三輪車
シート高さはフレームの路面すき間に影響する。シート高さが低い方が重心が低くなり、静的にも動的にも安定する。
三輪車(三輪リカンベント)の場合、おたまじゃくし(タドポール)形は安定させるために、三角(デルタ)形よりシート高さが低い傾向にある。BB高さは靴のかかとの路面すき間に影響する。
シート-BB距離
点と緑線の垂直距離は、シートとBBの垂直距離(シート-BB距離、図のD寸法)を表している。シート-BB距離の平均は、二輪車が約12cmそして三輪車が約11cmである。
シート-BB距離は空気抵抗およびペダリング効率に影響し、その値がプラス(シート高さよりBB高さが高い)の方が望ましい。
自動車のシート高さ
トヨタ自動車(株)のカローラの路面から座面の尻位置までのシート高さは約53cmであるから(背もたれ角は約60°)、リカンベント二輪車に乗る人の平均視線はカローラの運転手の視線とほぼ等しい。
本田技研工業(株)のシビックの尻位置のシート高さは約44cmであるから、その運転手の視線はシート高さの低いリカンベント二輪車に乗る人の視線に対応する。
なお、スポーツカーのシート高さはシビックのそれと近似しており、三輪車に乗る人の平均視線はスポーツカーの運転手の視線よりもおよそ20cm低い。