DOT | ISO | JIS | ドライ沸点 [°C] 以上 |
ウエット沸点 [°C] 以上 |
成分例 |
DOT3 | 3種 | 3種 | 205 | 140 | グリコール系 |
DOT4 | 4種 | 4種 | 230 | 155 | グリコール系 |
DOT5 | 5種 | 5種 | 260 | 180 | シリコン系 |
DOT5.1 | 5-1種 | - | 270 | 190 | グリコール系 |
流体ディスクブレーキに使うブレーキ作動液および緩衝器(サスペンション)に使う緩衝器作動液がある。
- ブレーキ作動液
ブレーキレバーとブレーキのキャリパーをチューブでつなぎ作動液を入れて、ブレーキレバーの力を液圧としてキャリパーに伝達する。
丘下りなどで長時間のブレーキ掛けによりパッドの摩擦熱が作動液に伝わって液温が上がる。液の沸点以上の温度になると、沸騰して気泡が発生してブレーキがきかなくなる(ペーパーロック)。
そのため作動液の規格には沸点の規定がある。自転車用の作動液は、シマノを含め鉱油系が多いが、自動車用の非鉱油系を自転車用のに使っているメーカーもある。
上表に米国の運輸省(DOT)、ISO 4925およびJIS K2233(自動車用非鉱油系ブレーキ液)の沸点の規定を示す。非鉱油系液を鉱油系液のブレーキに使うと、シール材を侵すことがある。
非油系の液は使用中に水分を吸収することがある。そして水分が多くなるほど沸点は低くなる。ドライ沸点は水分を含まない沸点で、ウエット沸点は水分を3~3.5%まで含んだときの沸点である。 - 緩衝器作動液
路面の凹凸により緩衝器のピストンが動いて作動油をオリフィスを通して流し、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して路面からの衝撃を吸収する。
メーカーが規定する粘度のものを使うことが大切。温度による粘度変化が少ないものが望ましい。