乳酸閾値(LH)の95~105%となる動力または心拍数で行う訓練。閾値動力および持久力を向上させることを目的としている。
LHの95%以下での運動では効果に乏しく、LHの105%以上の運動では過大な運動となる。
運動によって筋肉に乳酸が生成されるが、血流に吸収されて肝臓で分解される。運動強度が大きくなると乳酸の発生量も増加し、血流で吸収しきれない血中濃度となる。
このときの乳酸濃度は乳酸閾値(LT)と呼ばれる。乳酸閾値を越える運動強度では筋肉は効率よく働かず運動は持続できない。
乳酸閾値が大きいと早く走ることができかつ持久力もある。乳酸濃度(乳酸値)は指先などから血液を採取して乳酸分析器で測定する。
乳酸閾値は運動訓練によって上がる。右下図のグラフは動力と乳酸値の関係の一例を示す。乳酸は動力の増加に伴い直線的に増加するが、ある点からは急激に増加する。この変化点は乳酸閾値である。
訓練によって赤線の曲線が青色の曲線に変わったことを示している。この例では閾値動力はLT1からLT2に向上している。
安静時の乳酸値は個人差があり、0.5~1.5 mmol/l (ミリモル/リッター)であるが、訓練によりこの値も低下する。
血中の乳酸を測定せずに閾値動力を求める方法は :
(A) 40kmタイムトライアルの平均動力を測ること。この平均動力は閾値動力に近似しているといわれる。
(B) コンコーニテストによって求める。
乳酸閾値訓練の時間計画の例を次に示す。
(1) インターバルLT訓練 : 1週間に2回、間に3分間の休憩を入れた10分間のLT訓練を5回行う。
(2) 連続LT訓練 : 1週間に2回、30分間のLT訓練を行う。