回転体が角運動量を保存しようとする働きで、回転体の回転数および質量が大きいほど効果が大きい。次のような効果がある。
- 回転体は回転軸の向きを保とうとする。
- 回転軸の向きを変える力が働くと、その力の方向と直角方向に回転軸が動こうとする(加えられた力に対して角運動量を保存しようとするため)。
ジャイロ効果は次のように自転車にとって望ましいものであるが、車輪の回転数が小さいため、トレイルの効果に比べると、相対的に無視してよいほど小さい効果である。
特に、立ち漕ぎのような低速では全く無視できる。
- 直立安定走行
前輪、後輪共にジャイロ効果によって、直立状態を維持しようとする(倒れない)。 - 曲がりの手助け
曲がろうとして自転車を傾けると、前輪も傾くので前輪のジャイロ効果により、前輪(従ってハンドル)は操縦管を軸にして曲がる方向に回ろうとする。
しかし、高速走行時のシミーと呼ばれる横振動においては、ジャイロ効果は振動を助長する好ましくない働きをする。