概要
ロードレーサーを基本にして、オフロードで行われるサイクロクロス競技用に作られた自転車。稀に、通勤自転車として使われることもある。
名称
米国及び欧州ではサイクロクロスバイクと呼ばれているが、日本ではローマ字読みをしてシクロクロスバイクとも呼ばれる。
これは、サイクリングをシクリングと言うに等しく、意味不明の不適切な用語。CXバイクとも言う。
特徴
(1) ハンドルはドロップハンドル(ロード競技者が始めたという歴史が反映されている)。
(2) フレームは強度が大きく、肩に担ぐことのできる菱形フレームを使用。上管は担ぎやすい水平上管が好まれる。
上管断面形状を担ぐ肩にやさしい形状としたものもある。
(3) 泥詰まりがしないよう、フレームとタイヤの隙間は大きいかつ泥除けは付けない。
(4) ボトムブラケットの位置(ポトムブラケット高さ)は高めにして、起伏のある地面および障害物にペダルが当たらないよう、かつペダルすき間が大きくなるようにしている。
(5) ペダルはマウンテンバイク用の両面結合ペダル。
(6) タイヤはサイズ700Cのチューブラータイヤ又はクリンチャータイヤの幅30、32、34、35、42又は45mmのサイクロクロスタイヤ。ノブ高さは0.5~2.5mm。
UCI 規則(1.3.018)ではタイヤ外径は550~700mm、タイヤ幅は33mmを越えてはならない(35mm以下であったものを2010年に改定)
そしてスパイクまたはスタッドがあってはならない。
(7) ブレーキはシューとリムのすき間が大きめのカンティブレーキを装備。Vブレーキはシューとリムのすき間が小さく泥詰まりに不利で、またそれ程の効きは必要ないこと。
UCIはディスクブレーキの使用を禁じていたが、2010年に許可した。その後、ディスクブレーキは泥の影響を受けにくいので普及している。
(8) ギア比は低め。クランクスプロケットは一枚(40T程度)または2枚(42/34T、44/34T、46/36T及び48/42Tなど)。
(9) 後輪スプロケットは11~26T、12~27T 、13~26Tまたは13~27T程度。
(10) ケーブルは上管(トップチューブ)の上側に取り付け、肩に担ぐときに邪魔にならないようにする。又は内部ケーブル通しとしている。
(11) レバーは、ハンドルに取り付けブレーキおよび変速機の操作がしやすいようにしている。
(12) ホイールはロードバイクよりも強度を必要とする。
(14) ディレイラーとしてDi2を装備した形がある。
(15) 車軸にスルーアクスルが使われることがある。
リコール
2011年にRocky Mountain Bicyclesは、2007~2010年に販売した自転車の操縦管(ステアラー)が破損する可能性があるとしてリコールした。
2012年にDiamondbackは、2012年に販売した約40台のRCXモデルのヘッドセットに欠陥があり操縦管が制御できなくなる可能性があるとしてリコールした。
メーカー
東洋フレーム 、Airborne Bicycles 、Beeline Bicycles 、BH Bikes 、Bianchi 、Blomson International(BeOne) 、Blue Competition Cycles 、Boardman Bikes 、
Brodie Bicycles 、Cicli Pinarello 、Colnago Emesto & C 、Co-Motion Cycles 、Condor Cycles 、Crumpton Cycles 、
Cube Bikes 、Cycles Marinoni 、Diamondback 、Duratec 、Ellsworth Handcrafted Bicycles 、Felt Racing 、Focus Bikes 、Foundry Cycles 、Fuji Bikes 、Genesis Bikes 、Ibis 、Independent Fabrication 、Jamis Bicycles 、
Kona Bicycle 、Lapierre Bicycle 、Merida 、Mosaic Cycles 、MSC Bikes 、Norco Performance Bikes 、Raleigh 、Redline Bicycles 、Ridley 、Rocky Mountain Bicycles 、Salsa Cycles 、Santa Cruz Bicycles 、Serotta 、Singular Cycles 、Spot Brand 、Stevens Bikes 、Stoemper 、Trek Bicycle 、Van Dessel 、Whyte Bikes 、など。
参考 「自転車の種類」 サイクロクロスバイク 、 サイクロクロスの動画