キックバック
キックバックは反動のこと。
後輪サスペンションの付いている自転車に起こる現象で、凹凸の激しいオフロードの走行においてチェーンを介してペダルに反動が働くこと。
原因は、「単ピボット」のサスペンションでは後輪が付いているスイングアームの動きによって、前後スプロケット間の距離が変わること。
その対策として「ホルストリンク」が考案された。
単ピボット
マウンテンバイクの後輪サスペンションにおいて、剛体の後三角が1つのピボットによって支持されている構造。単純で強度が大きいのが特徴。
ピボットはBBシェル周辺のフレームにあり、後輪軸はそのピボットを中心にして円弧を描く。
ピボット芯はBB芯と一致していないため、チェーンの芯間距離はオフロードの大きな凹凸によって変化しペダルに反力(キックバック)が働く。
動きが分かりやすいよう、キックバックの動き(ペダルの動き)は極端に誇張してある。
ホルストリンク
マウンテンバイクの後輪サスペンションのリンク機構の一種。
ペダル漕ぎ及び後輪のブレーキ掛けの影響を受けないように考案されたもの。
AMP Research社(米国カリアォルニア州)社長のHorst Leitner(オーストリア生まれ、自動車技師、米国へ移民)が1970年代に発明し1981年に特許を取った。自転車部門が業績不振なので閉鎖し、1991年にSpecialized社に特許を売った。Specialized社は複数社へライセンス供与している。
(以下説明の図がありません)
右図は特許の図であり、部品No.20、4、9及び8の4箇所のピボット(赤色)で動く。緩衝器(No.10)とはNo.40のピボットで連結されている。要点は後輪軸24がチェーンステイ2の後端ピボット4の後方かつ上にあること(後輪を付ける爪の前方でシートステイがチェーンステイにピボットで連結されていること)。チェーンステイはBBシェルの上方の立管(シートステイ)にピン20で固定されている。緩衝器10はシートステイと立管を連結するリンクの中間部に連結されている。
このリンク機構によりBB芯から後輪軸への距離が変わらず、かつ車輪は垂直上下に動く。
欠点はピボットの数が多いため高価となること及び強度が低下すること。