- 概要
自動車道路において自転車のみが通行できる通行帯。交通事故防止を目的としている。多くは一対で道路の両側にあり、一方通行となっている。
自転車レーンと車道とは路面の着色および白線などで視覚的に仕切られている。自転車レーンに自動車が駐車してはならない。
- 用途
自転車による買物、通学、通勤及び旅行などに使われる。
- レーン幅
レーン幅が1.5m以上あれば、転倒しても自動車にひかれる可能性は小さい。英国政府の「自転車基盤設計」(2008年)では、レーン幅は2mと定めている。
シカゴは道路全幅に対応してレーン幅は、1.5m、1.7mおよび1.8mの3種類を定めている。
- レーンの着色
レーンの色は赤、茶、青または緑など。デンマークでの調査(1997)では、着色したレーンでは交差点での衝突が38%減少し、障害事故は71%減少ている。
自転車レーンであることを明確にするために、レーンの車道側に白線を描く。
- 緩衝地帯
自転車レーンと車道の間に緩衝地帯(バッファーゾーン)を設けた道路がある。英国およびニューヨークの写真に見られる斜めの白線は緩衝地帯を示している。
- 自動車禁止柱
自動車禁止柱(ボラード)をレーンの外側に立てて、自動車が駐車しないようにしたレーンもある(シカゴ及びシドニーなど)。
- バスレーン
バスレーンを自転車が走ることを許可している市は、ロンドン、パリ、トロント、オンタリオ、フィラデルフィアおよびヴァンクーバーなど。下の写真のヴァンクーバー及びパリは、バスレーンを走る自転車。
バスレーンを自転車が走ることを許可している理由は、バスの交通量は比較的少ないこと及び、バスの運転手は自転車の走行に対して訓練されていること。
自転車が走ることの出来るバスレーンは、バイク・バスレーンと呼ばれることがある。
- レーンの効果
自転車レーンが整備されると、通勤、買物及び旅行などの自転車利用率が向上したという統計が多くあり、二酸化炭素および大気汚染物質の排出量が減る効果もある。
- ニューヨークの計画
ニューヨーク市は、2005年から2008年にかけて自転車レーンを320km作り、自転車の利用者は1.7倍になった。
最終目標の2030年までには、2,880kmの自転車レーンを作る。
「ニューヨーク市の自転車レーンの動画」
- ロンドンの計画
英国の首都ロンドンは「サイクルスーパーハイウエイ」と名づけた幅1.5mの自転車レーンを新たに作る。ロンドン郊外から中心部への安全で直通の連続した12ルートの自転車レーンで構成している。
各自転車レーンの距離は10~15kmそしてレーンは青色に着色する。
自転車通勤などを推進し、交通混雑の解消及び二酸化炭素排出量の削減などを目的としている。
2010年3月までに、試験レーン(パイロットレーン)を2レーン(右図の地図の赤色のレーン)を完成させる。
2012年のロンドンオリンピックまでに、12ルートのすべての自転車レーンを完成させる予定。
- 台湾の計画
台湾の馬英九総統は、台湾を自転車で1周できる全長1,500kmの自転車道を造るとしている。
- シドニーの計画
シドニーは2030年までに、200kmの自転車道(サイクルネットワーク)を造る。
- 自転車レーンの実例
以下に自転車レーンの写真を示す。
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ニューヨーク |
ニューヨーク |
ニューヨーク |
ヒューストン |
リバプール |
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トロント |
ビクトリア |
ビクトリア |
マディソン |
ウエストミンスター |
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ヴァンクーバー(バスレーン) |
パリ(バスレーン) |
シドニー |
サンフランシスコ |
マディソン |
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モントリオール |
モントリオール |
ミネアポリス |
シアトル |
ヴァンクーバー |
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ポートランド |
ウェリントン |
オックスフォード |
バルセロナ |
コペンハーゲン |
カリフォルニア |
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オーストラリア |
アムステルダム |
アムステルダム |
トロント |
スペイン |
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サンフランシスコ |
ヴァンクーバー |
ビクトリア |
マディソン |
ニューヨーク |
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ベルギー |
ポートランド |
韓国 |
ヴァンクーバー |
ニューオーリンズ |
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ポートランド |
リッチモンド |
ミラノ |
ニューヨーク |
コペンハーゲン |
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シドニー |
サンフランシスコ |
ニューヨーク |
ロンドン |
ロンドン |
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シカゴ |
リッチモンド |
シドニー |
松山 |
東京都・八王子市 |
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ロンドン |
ロンドン (スーパーサイクルハイウエイ) |
大阪市・御堂筋 |
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- アドバンスストップライン
英国を含む欧州の用語で、自転車走行者の交通安全のために、信号のある交差点において横断歩道の後方そして自動車停止線の前方に設けた自転車停止線。
両停止線間は自転車レーンと同じ色で着色している。
運転手が自転車を視認しやすくする他、自転車乗車者も視認性が良い。自転車に乗った人が、自動車の排ガスに曝されにくくする効果もある。
1980年代後半から欧州そして2000年から米国及びカナダで使われている。
デンマークなどでは、直進する自転車と右折する自動車の衝突事故を劇的に減少させた。
- バイクボックス
米国では自転車停止線と自動車停止線の間をバイクボックスと呼んでいる。
自転車走行者の交通安全のために、横断歩道の後方で自動車停止線の前方に設けた自転車停止域。
バイクボックスは、自転車レーンと同じ色で着色している。
自転車を示す絵が描かれている。
自転車がバイクボックスにいなくとも、自動車はその後方に停止する。
右図はポートランドのバイクボックスに対して設けられた案内板。
自動車はバイクボックスの後方で停止するよう指示している。
- 概要
車道から完全に分離された自転車用の道路。ただし、車道と交差する地点では完全には分離されない。
河川の沿岸道路または土手の上を自転車道としていることもある。歩行者および走者も利用できる自転車道が多い。
- 用途
サイクリング、買物、通学、通勤及び旅行などに使われる。30km/h以上の速度で走る場合は、一般道を利用することが望ましい。
- 道幅
道幅はレーン幅よりも広く、2~4m程度。
- 自転車道の実例
以下に自転車道の写真を示す。
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ハンブルグ |
ブリストル |
ブルンズウィック |
モントリオール |
オランダ |
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オランダ、道幅4m |
オランダ |
ノースウエールス(英国) |
サンダーランド(英国) |
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ライン(独)-モゼル(仏) |
フォックスリバー(イリノイ州) |
シドニー |
シドニー |
ベルギー |
- 参考資料
「自転車道 リンク集」
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