環境に優しい乗り物
交通機関の二酸化炭素排出量
照明による二酸化炭素排出
二酸化炭素排出量計算器
交通機関の排ガス
炭素税と温暖化対策
自転車レーンと温暖化対策
自動車対策
環境に優しい乗り物
大気中の過剰な二酸化炭素は地球温暖化をもたらす。自転車は二酸化炭素および大気汚染物質を排出しない環境に優しい乗り物である。
バイク(オートバイ)および自動車のように、地域社会に騒音被害を加えることもない。
交通機関の二酸化炭素排出量
交通機関が1人を1km運ぶ場合の二酸化炭素(CO2)の排出量を図1に示す(2004年の国土交通省のデータ等より作成)。
同図の排出量は交通機関が1km移動した場合のCO2排出量を運んだ人数で割って、1人当たりの排出量[人・km]を計算した値。
CO2排出量は自転車では零であるが電車は19gそして乗用車は電車の9.2倍の175gを排出している。電車はその消費電力分を発電所のボイラの煙突から排出している。
ボイラでは重油などを燃焼して高温高圧の過熱蒸気を作り、配管で蒸気タービンへ送り、連結した発電機を回して発電する。
照明による二酸化炭素排出
自動車などの照明はエンジン駆動の発電機で点灯しているので、CO2排出量を増大させる。
一方、自転車は人力による発電(ハブ発電機またはローラー発電機)であるからCO2排出量は零である。
二酸化炭素排出量計算器
交通機関(電車、バス、バイク、航空機および乗用車)が動いた距離に対応した二酸化炭素排出量を計算する計算器を次に示す。
交通機関を選択後、距離[km]を半角数字で入力すると、CO2排出量が[kg/人]および[m3/人]の単位で表示される。
- 計算例
- 乗用車で50kmを走ったときは、8.8kg/人 または4.4m3/人のCO2を排出する。
交通機関の排ガス
自転車以外の交通機関は、二酸化炭素だけでなく窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)および煤塵を排出し人体に害を与えている。自動車の排ガスに含まれる煤煙は粒子径が小さいため、目には見えない。
炭素税と温暖化対策
ガソリン等の化石燃料に炭素税を課す税誘導によって、二酸化炭素の排出量を減らすことができる。炭素税の導入により、買物、通勤および娯楽の交通手段として自動車に代わって自転車が使われるようになれば、地球温暖化対策となる。
自転車レーンと温暖化対策
自転車レーンを整備すると、買物、通勤及び旅行などの自転車利用率が向上したという欧米の統計がある。東京都杉並区の中杉通りに設けた自転車道の社会実験では、自転車道の自転車交通量が40%増えている。自動車やバイクから自転車への転換がどの程度あったかは、調査されていない。
自転車レーンの設置により、買物、通勤および娯楽の交通手段として自動車に代わって自転車が使われるようになれば、地球温暖化対策に貢献する。交通手段の転換は、モーダルシフト と呼ばれる。
自動車対策
ガソリン税を大幅に上げることにより、通勤および買物などの交通手段としては、自動車より自転車に移行させることが必要。
国税を投入して高速道路の通行料を無料にして自動車を優遇し大気を汚染するよりも、自転車レーン及び自転車道を整備することが望ましい。
なお、大気汚染物質は国内で発生しているだけでなく、中国の自動車利用者の増大により、中国からも飛来していることが報告されている。