発電機
自転車 探険!
定格
運転特性
ローラー発電機
ハブ発電機
スポーク磁石発電機
チェーン発電機
ハブ回転数 計算器
発電電力 計算器
電球
自転車の発電機(ダイナモ、ジェネレーター)にはローラー発電機およびハブ発電機がある。仕様および運転特性はいずれも同じ。
定格
表1 発電ランプの定格(JIS C9502)
区分
定格電圧[V]
定格出力[W]
1灯用
6
2.4
6
3.0
6
6.0
2灯用
6
3.2 ,3.2
電球またはLEDを光源とする発電ランプの定格電圧および定格出力は、自転車の速度が15km/hのときの発電機の電圧および出力で表す。
「JIS C9502 自転車用灯火装置」に規定がある発電ランプの定格を表1に示す。
定格はタイヤ呼び径が標準車輪用では26型そして小径車用では22型の場合の値とする。
尾灯も使う場合は、3Wの定格出力が必要。前照灯に2.4Wそして尾灯に0.6W使う。
運転特性
表2 出力特性(JIS C9502)
負荷速度
[km/h]
出力電圧の定格電圧に対する比率 [%]
最小値
最大値
5
50
117
15
85
117
30
95
117
「JIS C9502 自転車用灯火装置」に規定がある発電機の出力特性を表2に示す。運転特性は次の通り。
1.
標準運転特性
走行速度15km/hのときの発電機の端子電圧と定格電圧の差は、定格電圧の±5%を超えないこと。
2.
低速運転特性
走行速度5km/hのときの発電機の端子電圧は、速度15km/hのときの端子電圧の41%以上のこと。
3.
高速運転特性
走行速度30km/hのときの発電機の端子電圧は、速度15km/hのときの端子電圧の133%以下のこと。
4.
連続運転特性
走行速度30km/hで8時間連続運転し発電機が常温に戻るまで放置した後の発電特性は上記1.~3.の各項目に適合し、かつ、各部に異状がないこと。
尾灯が有る場合の発電機の端子電圧は、表2の最小値と最大値との間になければならない。
ローラー発電機
概要
仕様
利点・欠点
定格
発電効率
概要
発電機のローラーをタイヤの側面にばねの力で押し当てて、タイヤの回転でローラーを回しさらに本体の中の発電機構を回して発電する発電機。
ボトル(びん)形をしているのでボトル発電機(ダイナモ)ともいう。
仕様
ランプ(前照灯)と一体になったものもある。ローラーは金属製とゴム製がある。ゴム製が騒音は小さい。ローラーに泥よけカバーの付いたものもある。
利点・欠点
ハブ発電機と比べての利点は、質量が小さいこと、安価なこと及び発電時以外では動力を消費しないこと。
欠点はローラーとタイヤ間の騒音があることおよび発電時にペダルが重くなること。
定格
定格電圧は6V(JIS C9502)又は12Vそして定格出力は2.4W、3Wまたは6W。
定格電圧および定格出力は走行速度15km/hのときの値で表す。
発電効率
多くは約35%であるがハブ発電機よりも効率がよいものもある。
ハブ発電機
概要
原理
利点
欠点
発電効率
スポーク穴数
ブレーキ
質量
特殊仕様
ロックナット間距離
消費動力
停止時点灯
クラッチ
充電器
概要
前輪ハブに組み込んだ発電機。ハブの回転によって交流電力を発電する。
前照灯に付いた光センサーによって明暗を検知して、電球を自動点灯・消灯する。
夜間に長時間走行する自転車に向いている。 クイックリリースの付いた形もある。
ハブダイナモともいう。
英国のスターミーアンカー社が1936年にダイノハブ(Dynohub)の商標で市場に出したのが最初。
同社は1903年に設立されたが、業績不振で2000年に台湾の会社に売却された。
原理
ハブ内面に貼り付けた複数の永久磁石がハブの回転に連れて回転すると、固定の車軸に取付けたコイルに電磁誘導現象により電流が流れ、発電される。
利点
ローラー発電機と比べてペダルを漕ぐ力は5分の1程度と軽くかつ騒音がない。雨の影響がない。
欠点
ローラ発電機は無灯火時のペダル負荷は零であるのに対し、ハブ発電機は負荷がかかる。
ただし、発電機負荷を切ることのできるものもある。
新しく取付ける場合はスポークの組み換えが必要。ただし、ホイールにハブ発電機を組み込んだダイナモホイール(右図)がある。
ローラ発電機はタイヤ寸法に関わらず走行速度に応じた回転数が得られるが、ハブ発電機は走行速度が同じでもタイヤ寸法が変わると回転数も変わる。 そのため、タイヤ寸法に応じた発電機が必要になる。例えば、折りたたみ自転車はタイヤが小さい。
速度15km/hに於いて、ローラ発電機は4,000rpm程度の高速回転が得られるのに対し、ハブ発電機は120rpm程度の回転数しか得られず、小形化が難しい。
発電効率
72~84%。速度が速くなるほど発電効率は低下する。
発電効率は、自転車が発電に消費した電力に占める発電電力の割合。
式で表すと、発電効率[%] = 100 x (発電電力/消費電力)。
スポーク穴数
ハブフランジのスポーク穴数は32穴及び36穴など。
ブレーキ
リムブレーキ用及びディスクブレーキ用がある。ディスクブレーキ用はブレーキローターを取り付ける座が付いている。
質量
クイックリリース付の質量は490~750g。
特殊仕様
(1) キャパシタを内蔵して、停止時も5分間程度点灯しているものもある。
(2) 発電しないときは、6歯スプロケット状のクラッチ板を手で回して磁力(負荷)を切ることが
できる形がある。
(3) 発電しないときは、側壁のダイヤルでスイッチを切ることができる形がある。
発電負荷が発生しない。
(4) 前輪のハブ軸に取り付ける形がある。
前照灯及び尾灯が付属している(左図)。
発電機はハブの回転によって内蔵の歯車で駆動する。
(5) 点灯させないときは電気を付属の蓄電池に蓄えておき、i Phoneなどの充電に使える形がある。
ロックナット間距離
前輪に付けるので、ロックナット間距離(OLD)は100mm。
消費動力
ハブ発電機の消費動力は、メーカー及び形式によって異なる。走行速度に対応した、消費動力の一例を右図のグラフに示す。 速度が速いほど消費動力は大きくなるが照明は明るくなる。消費動力は、ペダルに加えた動力から消費される。高速では全動力が大きいため、消費動力が全動力に占める割合は小さくなる。 同様に登坂においても消費動力の割合は小さくなる。
停止時点灯
キャパシタを内蔵していて、停止時も5分間程度点灯しているものもある。
クラッチ
昼間に発電しないときは、6歯スプロケット状のクラッチ板を手で回して磁力(負荷)を切ることができる形もある(右図)。
充電器
ハブ発電機から電気を取る蓄電池付きの充電器(バッテリーチャージャー)がある。この充電された充電器にUSBケーブルで、携帯電話器又はGPS受信機などを接続するとこれらが充電される。 この充電器はフレームに着脱でき、外すとバッグに収納できる。
スポーク磁石発電機
概要
スポークに複数の磁石を取り付け、車輪の回転で磁石がコイルの入った発電機の前を通過することによって、電磁誘導でコイルに電流が流れることによって発電する発電機。
ハブ発電機
と基本的な発電原理は同じであるが、後から付ける場合にスポークの組み換えが必要ない。
事例1
左図の形は発電機と前照灯が一体になっている。磁石は2個と少ないため、昼間及び夜間に自転車の存在を示すのが主目的で、道路を照らす十分な明るさはない。
事例2
右図の形はスポークに付けたリングに32個の磁石が付いており、走行速度15km/hの時15ルクスの明るさがある。
発電機と前照灯は配線でつなぐ。
チェーン発電機
本体をチェーンステイに取り付けて、後輪を駆動するチェーンよつて駆動する発電機。
チェーンダイナモ及びチェーン駆動ダイナモとも言う。
ダイナモにはスプロケットが付いている。
チェーンケースの取り付けはできない。
下り坂においてもペダルを漕がないと発電はできない。
ハブ回転数 計算器
タイヤ型番と走行速度を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい。
ハブ回転数が出ます。
[ 計算例 ]
タイヤ型番が27型で走行速度が15km/hの場合
ハブ回転数は116rpm
ハブ回転数
計算器
タイヤ型番
走行速度
ハブ回転数
型
km/h
rpm
発電電力 計算器
走行速度を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい
ハブ発電機の発電電力の一例が出ます。
[ 計算例 ]
走行速度が8km/hの場合
発電電力は約1.6Wとなる。
発電電力
計算器
走行速度
発電電力
km/h
W
電球
電球の規格「JIS C7510 自転車発電ランプ用電球」の一部を右表に示す。
口金の6V2.4Wの刻印の後にHの記号があれば、高効率形。
光束の数値が大きいほど明るい。
LED豆電球もある(右図)。これは明るく寿命が長い。
ガラス球の形式
定格電圧
V
消費電力
W
光束
lm
寿命
h
G形(球)
6
2.4
26
60
6
3.0
33
60
B形(円錐球)
6
2.4
28
60
6
3.0
40
60
T形(円筒)
6
2.4
28
60
6
3.0
40
60